健康診断や面談など、社内の日程調整は意外にも多く発生します。調整手段にメールを利用している担当者の方は多いのではないでしょうか。

この記事では、スムーズに日程調整できるメールの文例や書き方を解説します。根本的に業務効率を改善したい方に向け、日程調整に役立つツールの種類も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

日程調整メールは社内だけでも高頻度

PCに映し出されたカレンダー
日程調整メールは社外・社内を問わず送る機会がありますが、社内だけでもさまざまな送信場面があります。たとえば、以下のシーンが挙げられます。

  • 個人面談
  • 採用面接の社内調整
  • 部署やチーム単位の会議・打ち合わせ
  • 講習や研修の予約
  • 健康診断の予約

こうした多くの機会により、日程調整メールの作成や返信確認、予定の調整といった作業に多くの時間を費やしている方もいるでしょう。とはいえ、1対1の個人面談であれば、メールによる日程調整は比較的スムーズに進むかと思います。

一方で、複数人の予定を揃えなくてはいけない会議や健康診断の場合、メールによる日程調整は煩雑になりがちです。すぐに返信してくれる人ばかりではなく、催促しないといけない人もいるため調整作業は滞るでしょう。できる限り効率的に日程調整をおこなうためには、メールの書き方が重要になります。

社内向け日程調整メールの書き方

キーボードでタイピングをする手元

社内の日程調整を進める際は、複数人から素早く返信をもらう必要があります。相手が返信しやすいように、以下5つの書き方を意識してメールを作成しましょう。

  1. 件名に内容を要約する
  2. 本文は簡潔にする
  3. 複数の候補日時を挙げる
  4. 返信期限を明示する
  5. 相手に配慮した文章を添える

それぞれ大切なポイントを説明します。

1.件名に内容を要約する

日程調整の要件は、件名に記載しましょう。タイトルを一目見て内容がわからないと、確認を後回しにされる可能性があります。そのまま他のメールに流されて開封されないパターンもあるので、すぐに確認してもらえる件名をつけましょう。

たとえば、「【日程調整のご相談】◯◯プロジェクト_チームミーティング」といった件名が適しています。メールの件名だけで内容を把握できれば受信者の手間も省けるため、件名のわかりやすさは重要です。

2.本文は簡潔にする

メールの本文は、日程調整に関する内容を簡潔にまとめます。意図が伝わらないあいまいな文章や、要件を文章に書き連ねる方法は避けてください。本文の冒頭で所属と氏名を記載し「何をおこなうための日程調整であるか」を伝えましょう。

日程候補や会議場所などの要件は箇条書きにすると、受信者のスケジュール確認と返信作業がスムーズになります。

3.複数の候補日時を挙げる

箇条書きで日程候補をまとめる際は、複数日時の提示が大切です。候補日が1つしかないと、誰かしら参加できない可能性が高くなり再調整が必要になります。参加人数が多いほど再調整のリスクが高まるので、参加できる人が多そうな候補日時を3つ以上記載しましょう。

「全員参加できる日時で開催」か「参加人数が最多の日時で開催」といった開催条件も示すと良いかもしれません。なお、相手が上司であっても、候補日時は自分からの提案が基本です。

4.返信期限を明示する

複数人が参加する会議であれば、回答忘れを防ぐためにもメールの返信期限の設定が効果的です。期限を設けていないと、返信を後回しにして忘れてしまう人も多いかもしれません。また、あらかじめ期限を設定しておくと、期限を過ぎた場合の返信依頼がしやすくなります。

注意点として、返信期限は相手の都合を考えた設定にしましょう。相手も仕事を抱えているため、スケジュール確認や調整作業をおこなってから返信します。緊急性が高くない限り、早すぎる期限設定は避けたほうが良いでしょう。

5.相手に配慮した文章を添える

内容は簡潔に伝えるべきですが、相手への配慮も必要です。余裕を持った返信期限のほか、日程候補を挙げた後に「日程のご都合が合わなければ、お気軽にお申しつけください」などの文章を添えましょう。

会議方法も、対面やWeb会議への変更が可能といった旨を伝えるとより親切です。社内向けメールであれ、基本のビジネスマナーに沿った文面を作成しましょう。

社内向け日程調整メールの文例

紙に「thank you」と書いている青いペン

社内向け日程調整メールの文例を2つ紹介します。「1対1の日程調整」と「複数参加の日程調整」における例文を掲載しますので、テンプレートとしてご活用ください。

1対1の日程調整メール

【件名】

日程調整のご相談|〜〜の件についての打ち合わせ

【本文】

◯◯さん

お疲れ様です。▼▼部の▽▽です。
〜〜の件について打ち合わせさせていただきたく、〜分ほどお時間をいただきたく存じます。
つきましては、以下の日程の中から、ご都合のよろしい日時をご連絡いただけますと幸いです。

◯月◯日(曜日)XX:XX 〜 XX:XX
◯月◯日(曜日)XX:XX 〜 XX:XX
◯月◯日(曜日)XX:XX 〜 XX:XX
■開催場所:Google Meet

上記日程が難しい場合は、お気軽にお申しつけください。あらためて別の日程を提示させていただきます。
お忙しい中恐れ入りますが、何卒よろしくお願いいたします。

複数参加の日程調整メール

【件名】

日程調整のご相談|◯◯プロジェクト_〜〜の件に関するチームミーティング(全員参加)

【本文】

関係者各位

お疲れ様です。▼▼部の◇◇チームの▽▽です。
◯◯プロジェクトについて、〜〜の件に関するチームミーティングを開催いたします。
全員参加でおこないたく存じますので、以下の日程の中からご都合のよろしい日時をご連絡いただけますと幸いです。

◯月◯日(曜日)XX:XX 〜 XX:XX
◯月◯日(曜日)XX:XX 〜 XX:XX
◯月◯日(曜日)XX:XX 〜 XX:XX
■開催場所:会議室A

■所要時間:◯時間

上記日程が難しい場合は、お気軽にお申しつけください。あらためて別の日程を提示させていただきます。
お忙しい中恐れ入りますが、【◯月◯日(曜日)◯時まで】にご回答いただけますよう何卒よろしくお願いいたします。

メールでの日程調整は効率が悪い

複数のストップウォッチ

 

ここまで、日程調整をメールでおこなう際のポイントを紹介しました。しかし、メールによる日程調整は、業務効率が悪いと言えます。メールで日程調整のやり取りをしている方は、以下の課題を感じているのではないでしょうか。

  • メール送信から返信までのタイムラグがある
  • 何回もメールをやり取りしなくてはいけない
  • 複数人が相手だとそれぞれに対応が必要
  • 返信期限を過ぎる人がいる
  • 返信内容からの集計作業がある

これらの作業に時間が奪われると、本来の業務に充てる時間が減って業務効率の低下を招きがちです。社内の日程調整は企業のコア業務ではないため、無駄を省く必要があります。加えて、メールによる日程調整の問題点は業務効率の悪化だけではありません。

メールはセキュリティ上のリスクも高い

そもそもメールを業務利用すると、セキュリティ上のリスクが高まります。メールは、サイバー攻撃の手口としてよく使われる手段だからです。IT関連情報を発信するIPAは「情報セキュリティ10大脅威2022」(※1)にて、企業編1位に「ランサムウェアによる被害」を、2位に「標的型攻撃による機密情報の窃取」を挙げました。どちらも、メールが主な攻撃手段となるサイバー攻撃です。

メールを使ったサイバー攻撃は「メールの添付ファイルは不用意に開かない」といった基本的な情報リテラシーがあれば回避できます。しかし、従業員の1人でもうっかり開いてしまえば情報漏洩などの事故に繋がりかねません。日程調整を含む連絡手段にメールを用いる場合、リスクを理解した上で使う必要があります。

※1 出典:IPA(独立行政法人情報処理推進機構)「情報セキュリティ10大脅威2022」

日程調整でメール以外のツールを活用

スマホでカレンダーアプリを操作する

 

日程調整は、メールよりも各種ツールのほうが便利です。日程調整に使えるツールは、下記の4種類があります。

  1. 日程調整ツール
  2. ビジネスチャット
  3. 予約管理システム
  4. Googleカレンダー

各ツールの特徴やできることを紹介します。

1.日程調整ツール

日程調整ツールは、名前の通り日程調整に特化した機能を持ちます。詳細機能はツールごとに異なりますが、参加予定者に日程調整用のURLを送付し、それぞれイベントの出欠や参加可能な候補日を選択してもらう使い方が一般的です。参加可能日の集計や決定した日程のカレンダーへの反映といった作業が自動化されるため、複数人でもスムーズに日程が調整でき便利です。

複数人が参加する場合、投票形式で自動的に日程を決定できるツールもあります。Google MeatなどのWeb会議システムとの連携機能があれば、会議URLを自動発行できるので利便性が増します。

2.ビジネスチャット

ビジネスチャットは、社内外のコミュニケーションに用いるチャットツールです。日程調整に特化した機能があるわけではありませんが、メールよりも迅速なコミュニケーションを実現できます。1対1の日程調整の相談であれば、素早く予定を決められるでしょう。

また、多くのビジネスチャットはグループチャットをおこなえるため、複数人の日程調整に役立てられます。スレッド表示やメッセージのタグ付け・検索などの機能を活用すれば、効率的に参加可能日の集計が可能です。

3.予約管理システム

予約管理システムは、店舗や施設の来店、セミナーへの参加といった各種予約をオンライン上で受け付けるシステムです。予約者はカレンダー形式などの予約ページにアクセスし、予約日時を申し込みます。予約管理に特化したサービスですが、社内の日程調整にも用いることで顧客の予約と社内日程の一元管理が可能です。

健康診断などの大規模な日程調整が必要な社内行事にも活用できるでしょう。予約状況は管理画面から一覧できるため、社外・社内向けの日程調整を1つのシステムに統合できます。

4.Googleカレンダー

数あるカレンダーツールの中でも、日程調整ツールや予約システムなどの連携先が多いのがGoogleカレンダーです。Googleカレンダーと各種ツールを連携することで、個人のスケジュールと社内日程を同一アプリ上で管理できます。たとえば、予約システムで受け付けた社内日程を対象者のGoogleカレンダーに反映させることも可能です。

また、有料のGoogle Workspaceを利用している場合は、予約形式の日程調整機能「予約スケジュール」を使用できます。Googleカレンダー単独で日程調整をおこなえるので、Google Workspaceを利用している方は予約スケジュール機能を使ってみてはいかがでしょうか。

社内の日程調整をツール化するメリット

「Merit」と書かれた卓上ボード

社内の日程調整は、予約管理システムなどの各種ツールの利用をおすすめします。各種ツールを使う具体的なメリットは、次の4つです。

  1. 調整作業を簡素化できる
  2. 情報共有が簡単になる
  3. 予定を忘れない
  4. 顧客の予約との重複を避けられる

順に詳しい理由を解説します。

1.調整作業を簡素化できる

各種ツールを使う最大のメリットと言えるのが、調整作業を簡素化できる点です。予約システムや日程調整ツールであれば、相手が候補日程から参加日時を選択するだけで完結します。ツール上で日程調整をおこなうため、メールのような複数回のやり取りは不要です。

参加可能人数がもっとも多い日に予定を決定したい場合でも、投票形式の調整機能を持つツールを使えば集計作業は必要ありません。参加者もメールの返信作業がいらなくなるので、社内全体での日程調整作業がスムーズになるでしょう。

2.情報共有が簡単になる

ツール上で最新のスケジュールを確認できるので、日程に関する情報共有が簡単になります。決定した日程はすぐにツール上に反映され、ツールの利用者であればいつでも確認可能です。決定内容の周知メールを作成したり、ホワイトボードに書き込んだりする必要がありません。

さらに、スマホ対応しているサービスが多く、外出先からでもリアルタイムな情報にアクセスできます。外勤営業の社員も、正確な社内日程を確認した上で取引先との商談スケジュールを組めるでしょう。常に最新のスケジュールを把握することで、社外との円滑な日程調整も可能になります。

3.予定を忘れない

各種ツールの多くにはリマインダー機能があります。予定日時が近づくと知らせてくれるので、うっかり予定を忘れてしまうトラブルの予防に効果的です。予定を忘れてしまうと、再び日程を調整しなくてはなりません。メールの場合、再調整の手間は大きな負担となります。また、参加者が多いほど再調整が難しく、予定自体が流れてしまうかもしれません。

各種ツールのリマインダー機能を活用すれば、予定を忘れられてしまうリスクを低減できます。

4.顧客の予約との重複を避けられる

予約管理システムは、顧客の予約との重複予防に役立ちます。仮にメールで社内調整しても、顧客の予約を台帳や他のツールで個別に管理している場合、日程情報が散逸してしまいます。そのため、ダブルブッキングといったトラブルが起きやすく、適切な管理体制とは言えません。

予約管理システムに社内日程と顧客の予約情報を集約させれば、こうしたトラブルを予防できます。加えて、Googleカレンダーと予約システムを連携すると、社員ごとに個人のスケジュールも合わせて管理可能です。ビジネス上の日程を1つのツールでおこなうことで、予定重複を起こさない適切なスケジュール管理を実現できるでしょう。

社内の日程調整に用いるツールの選び方

ノートPCを開きタブレット操作をする人

日程調整に用いるツールの選定や、ツール選定後にサービスを比較する際は、下記5つの要素に注目してみてください。

  1. 重視する機能
  2. 日程調整の規模や頻度
  3. スマホ対応の有無
  4. 外部ツールとの連携
  5. 誰でも使える操作性

1つずつ大事なポイントを説明します。

1.重視する機能

1つ目のポイントは、ツールを使う上で重視する機能です。たとえば、取引先や顧客との日程調整の機会が少なく、社内の日程調整に特化させたいなら日程調整ツールが適しているでしょう。社外との商談調整や顧客の予約情報も一元管理したいなら、予約管理システムがおすすめです。メールに代わるコミュニケーションツールを求めるなら、ビジネスチャットが向いています。ただし、大規模な日程調整の場合はビジネスチャットだと集計作業が煩雑化します。ビジネスチャットは普段の情報共有に使い、日程調整は他のツールでおこなうと良いでしょう。

2.日程調整の規模や頻度

ツールを選ぶ上で、日程調整の規模や頻度も重要になります。従業員数が少ない会社や、日程調整をおこなう頻度が少ない場合、有料の専用ツールでなくても、無料で使えるGoogleカレンダーの共有機能やビジネスチャットの集計で充分な対応が可能です。

反対に、従業員が多く日程調整の頻度も高いなら、有料の日程調整ツールや予約管理システムを導入して業務効率を改善したほうが良いでしょう。費用対効果を考え、もっともコストパフォーマンスの良いサービスを選んでみてください。

3.スマホ対応の有無

必須ではありませんが、スマホ対応のサービスがおすすめです。日程調整に用いるツールは、スマホからも使えると利便性が増します。外出先からでも閲覧・編集できるので、スムーズな日程調整が可能になるでしょう。

外回りの機会が多い企業であれば、スマホ対応の必要性は高いと言えます。従業員の外出頻度やテレワークの有無など、日程の調整や確認をおこなうシーンを考え、スマホ対応の必要性を検討してみてください。

4.外部ツールとの連携

社内の日程調整は、個人のタスク管理ツールと連携すると社員ごとのスケジュール管理が容易になります。前述の通り、日程調整ツールや予約管理システムはGoogleカレンダーと連携できるサービスが多いです。Googleカレンダーは個人のタスクやスケジュールを管理するのに適しているので、連携できると個人の日程調整作業がスムーズになります。

その他、Web会議やCRM、決済などのツールとも連携すれば、顧客管理や予約管理といった日程調整に関する業務の効率化も見込めるでしょう。

5.誰でも使える操作性

見落としがちなポイントですが、ツールの操作性も重要です。日程調整の管理側である人事や総務担当者だけでなく、日程候補を選ぶ利用者側の使いやすさも考えましょう。たとえ管理しやすいツールでも「候補日の選び方がわからない」「予約ページが見づらい」と思われると利用が進みません。

面倒に思って口頭やメールで伝えてくる人が現れるかもしれないため、管理者と利用者の双方が使いやすいサービスを導入しましょう。

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社内の日程調整は便利なツールを使ってメールから脱却しよう

社内の日程調整をメールでおこなう際は、わかりやすい件名や本文を心がけて調整作業の効率を高めましょう。ただし、メールによる日程調整はそもそも非効率的な作業です。根本的に解決したいのであれば、日程調整ツールや予約管理システムの導入をおすすめします。日程調整の頻度が少ないなら、無料のビジネスチャットでも問題ないでしょう。

自社の規模や日程調整の頻度に合わせて、適したツールを探してみてください。

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