自社のサービスや商品を「予約」や「予約販売」という方法で提供することは、仕入れや人員配置などの業務が効率化するだけでなく、マーケティングとしても有益です。
予約という仕組みがもたらす効果や、活用できる「予約管理システム」をご紹介します。

「予約」という販売手段自体が有効なマーケティングとなる

電卓と「限定!」の札

自社の商品やサービスの魅力、ひいては自社のこと自体までを幅広い層に知ってもらうために、マーケティングは不可欠です。
実際に、市場調査をおこなって顧客のニーズを探ったり、ニーズに基づいた商品企画・開発をしたり、商品や自社のことを知ってもらうため様々なメディアで広告宣伝を展開しているというマーケティングご担当者も多いことでしょう。

実は、商品の購入やサービスの利用に「予約制」の仕組みを導入するだけでも、一定以上のマーケティング効果を得られる可能性があります。
「予約」の仕組みを導入すると、業務上どのようなメリットがあるかという点から見ていきましょう。

売上計画を立てやすくなる

サービスを提供する場合でも、商品を売る場合でも、予約制にすることで事前に需要を把握できます。すなわち、販売規模・販売ペースなどについて具体的な見通しが立ち、売上計画も立てやすくなるでしょう。

適切な商品在庫の管理・確保を行える

需要を事前に把握しておけることで、生産や仕入れの調整もあらかじめ適切におこなえます。過剰在庫となってしまったり、逆に需要がせっかくあるのに在庫が足らず販売機会を逃してしまったり、といった失敗を避けられるでしょう。
具体的な商品を販売するわけではないホテルなどのサービス業であっても、例えば備品や人員配置、提供料理のための食材の仕入れなどの面において、過不足のない確保をおこなえます。

結果として受発注業務の効率化となり、無駄なコストの大幅な削減にもつながるでしょう。

季節ものの商品を売り逃さず販売機会を最大化できる

例えば旬の食材を使った食品、クリスマス関連商品、夏ならではのレジャーサービスなど、季節ものの商品を提供している場合は特に、もしその季節に売り逃しが発生してしまうと次の同時期までは販売機会が訪れません。また、せっかく購入や利用の希望者が集まっているのに、提供の準備が追いついていないのであれば大きな損失となります。

事前予約という仕組みによって需要を正確に把握しておけることが、販売機会の最大化につながるでしょう。

▼あわせて読みたい:完全予約制とは?導入のメリット、デメリットや予約制との違いを解説 | ChoiceRESERVE

マーケティング戦略の一種「ファイブウェイポジショニング」と「予約」の関係

分析資料とビジネスパーソン

予約という仕組みを導入することと、マーケティングとの関係を理解しておきましょう。
「ファイブウェイポジショニング」というマーケティング戦略があります。

どのようなビジネスであっても、その根幹は「商品」「サービス」「価格」、そして顧客側の「経験価値」「買いやすさ(利用のしやすさ)」という5つの要素で構成されています。

しかしこれらの要素をすべて「いつも最高水準に維持する」ということは、理想的ではあるものの莫大なコストや労力がかかってしまうため、なかなか現実的ではありません。
そこで「ファイブウェイポジショニング」では、状況に応じて5つの要素の中で最も重要な要素をひとつ選択し、その要素の質を集中して高めていく、という方法をとります。

とはいっても他の要素を一切無視するかというとそういうわけではなく、具体的には、最も重要と判断したひとつの要素「Level 3:市場支配(市場支配が可能なレベル)」まで高め、次に重要と考えられる要素ひとつ「Level 2:差別化(他社との差別化が可能なレベル)」へすることを目標とし、残り3つの要素については「Level 1:業界水準(競合他社もクリアしている、同業界においての水準レベル)」として維持する、という考え方です。

仮に「買いやすさ(利用のしやすさ)」を重要課題と定義して底上げしたり、他社との差別化を図ったりしたい場合にはどのような方法があるでしょうか。
例えば実店舗で商品販売する場合の店舗の立地や店舗数というものは簡単には変更・拡大が難しいですが、「事前予約」の仕組みを導入することで「買いやすさ(利用のしやすさ)」の向上を図ることができます。その予約の仕組みが、オンラインでいつでもどこからでも予約可能な簡単な仕組みであれば尚更のこと、「買いやすさ(利用のしやすさ)」のみならず「サービス」の要素にも良い影響を与えるでしょう。

予約提供時の注意点

付箋と「注意!」のフキダシ

自社の商品やサービスに「事前予約」の仕組みを導入することには多大なメリットがありますが、少しだけ注意点もあります。

クレジットカード決済の場合は売上請求時期に注意

クレジットカードを決済手段にする場合には、商品の発送前に売上請求をすることはできないということに留意しておきましょう。
あくまでも商品の発送時点で売上確定となるため、もし予約受付から発送時期までの間隔が長くなる場合、その間にクレジットカードの有効期限切れが発生する可能性も踏まえて対策を講じておく必要があります。

商品の予約販売を行う場合は、予約期間が長いほど大きな在庫保管スペースが必要となる

物理的な商品を販売するビジネスにおいて予約の仕組みを取り入れる場合には、当然のことながら予約量が大きくなればなるほど、そのぶんの商品を保管しておくスペースが必要となります。
特に発送の数か月前など長めの予約期間を設ける場合には、それまでの間、大量の商品を保管しておけるだけの倉庫が必要となります。

ある程度のキャンセルが入る可能性を視野に入れておく

予約はあくまで予約であるため、予約後に購入者の意思が変わって実際の販売前にキャンセルとなってしまう可能性もあります。
予約販売の仕組みを導入する際には、キャンセル可能期間についても慎重に検討したうえで販売計画を立てましょう。

▼参考:
ドタキャン、無断キャンセルをなくしたい|ChoiceRESERVE

予約マーケティングの成功事例

積み木と旗

事前予約の仕組み自体がマーケティングとして有効ですが、さらにひと工夫することによって販売機会の拡大につなげた事例もあります。

スマートフォンでのかんたん予約方法で販売増加

ゴルフ用品の販売、およびゴルフのレッスンスクールを展開しているA社では、大手ゴルフ情報ポータルサイトから直接アクセスできる予約の仕組みを導入しました。
事前に、当該ポータルサイトの利用者のほとんどがスマートフォンからのアクセスであることを確認していたことから、スマートフォンでも見やすい簡易的な情報表示のうえで簡単に操作できる予約画面を提供。結果、インターネット経由での予約受付数が全体の8割にまで増え、予約数全体からみると20%もの増加となったのです。

宿泊施設でインフルエンサーとコラボした予約特典を展開

温泉宿泊施設を運営するB社では、SNSでの「口コミ」とレジャー業の相性の良さに注目し、ただ予約の仕組みを提供するだけではなくSNSで多数のフォロワーを持つインフルエンサーとのコラボレーションを展開しました。
旅行に関する投稿で人気を博していたインフルエンサーに自社施設のPRと予約への誘導を依頼し、自社宿泊施設の魅力をインフルエンサーの言葉で発信。もともと温泉旅行に興味をもっている潜在顧客とのタッチポイントを、シンプルに増やすことに成功しました。
複数回のPR投稿の中ではインフルエンサーが水着姿も披露しており、施設自体の良さをきちんと訴求しつつも、インフルエンサーのファンにしっかり注目してもらう投稿をおこなう、という工夫をしています。

▼あわせて読みたい:リピーター獲得の方法とは?リピーターの作り方や増やす施策を解説 | ChoiceRESERVE

予約販売&マーケティングに予約管理システムがおすすめな理由3選

笑顔でミーティングする人々

予約管理システムは、オンライン予約の仕組みを簡単に導入できるシステムです。予約管理システムでは、以下のようなメリットを得られます。

お礼メールやリマインドメールを自動化できる

予約管理システムの基本機能として、予約受付後のお礼メールや、サービス提供日直前のリマインドメールを自動で送信できる機能があります。
抜けなく、適切なタイミングで各種メールを届けられることによって、エンゲージメントの向上キャンセルの回避などが期待できます。

内容変更やキャンセル手続きをユーザー側の操作で行える

予約管理システムにおいては、予約内容の変更やキャンセルの手続きをユーザー側がオンラインで簡単に行えます。初めて利用する顧客に対しても面倒さを感じさせない「利用のしやすさ」につながり、販売機会の増大に期待できます。

予約受付時の入力内容を自動的にデータ化できる

予約管理システムでは、予約受付時に顧客が入力した内容がそのまま様々なシステムでも活用できるデータとなります。
また、ビジネスで利用されることの多い顧客管理システムや販売管理システムなどの外部システムとの自動連携が可能な予約管理システムもあります。
もともと業務に組み込まれているシステムと無理なく連携しやすい予約管理システムを導入することによって、さらなるマーケティング展開もおこないやすくなるでしょう。

▼参考:
予約データのCSVダウンロード|ChoiceRESERVE

▼あわせて読みたい:予約システム導入のメリットと選び方を解説!無料版で比較する前に知っておきたいこと | ChoiceRESERVE

顧客が「予約」を気軽にしやすい予約サイトの例

笑顔でスマホを操作する男女

最後に、予約管理システムで予約の仕組みを作ると具体的にどのような画面・構造の予約サイトが出来上がるのか、のご参考までにデモサイトをご紹介します。

予約管理システム「ChoiceRESERVE」では、予約サイト作成の柔軟性によりどのような業種であってもぴったりの、ユーザーが気軽に予約しやすい仕組みを提供できます。
ぜひ、下記リンクから各画面を実際に操作してみて、参考になさってください。

▶︎「ChoiceRESERVE」デモサイト

適切な予約販売を行うことでマーケティング効果も得られる

自社の商品やサービスに「事前予約」の仕組みを導入することによって、潜在顧客とのタッチポイントの増加販売機会の増大など大きなマーケティング効果を得られます。
予約の仕組みを新たに導入する際には、予約管理システムの活用をぜひご検討ください。

2分でわかる予約システムChoiceRESERVE
資料ダウンロード

「特別扱い」で「予約」のマーケティング活用を

中谷淳一氏
中谷淳一氏
関東学園大学経済学部 准教授

「予約」の仕組みは、旅館・ホテルや航空券、飲食店に限らず、あらゆる業種・業界で導入が拡がっています。この背景には、安価で導入しやすい予約管理システムの普及があることは否定できません。
予約管理システムを導入することで効率的な業務管理と顧客満足度の向上が可能となりますが、活用しきれていない企業・事業者も多いようです。
特に予約管理システム導入初期には、予約によるお客様が多くない状況下で活用しきれていないと感じることがあるようです。
そうした場合には、まず「予約してくれたお客様を特別扱いする」ことから始めることを勧めています。
予約管理システムを活用して効率的な業務管理や商品管理も大切ですが、まずは顧客へのサービス向上を最優先事項とし、予約をしてまで選んでいただいたお客様に、出来る限り差別化された価値を提供することが、「予約」のマーケティング活用の第一歩になるはずです。