
無料で簡単に予約を受け付ける仕組みを作る方法はないかな? とお探しの方には、Googleフォームをおすすめします。Googleフォームなら、ごく簡易的なものではあるものの、予約を受け付けるための必要最低限の仕組みを作成可能です。
▼「Googleカレンダー」で予約システムを作る方法は、こちらの記事で解説しています。
予約システムをGoogleカレンダーで作る方法を徹底解説!|ChoiceRESERVE
「Googleフォーム」とは?
Googleフォームを使った予約システムの作り方を解説するにあたり、まずはGoogleフォームについて簡単にご紹介します。
GoogleフォームはGoogle社が提供している誰でも無料で利用できるフォーム作成ツールです。Googleフォームは、各種アンケートや登録情報の入力フォームなどとして使われています。初めて使う人でも簡単な操作で作成でき、公開まで楽にできる点で人気です。
Googleフォームの回答・入力欄には、テキストボックスやプルダウン、チェックボックスなど、回答のしやすさや見やすさなどを考慮しながらいろいろ設置できます。フォントやカラーなどのカスタマイズにも対応しており、フォーム上で入力された回答内容は、Sheetsと連携させて自動集計や分析することも可能です。
Googleフォームはパソコン、タブレット、スマートフォンなどデバイスを選ばず、どこにいても簡単にアンケートやフォームを作成できます。回答者も同様で、思いたった時点で入力・送信できる点もGoogleフォームの大きなメリットです。
無料版でも役に立つアンケートや入力フォームを作成できるGoogleフォームですが、大人数での利用向けに有料のビジネス版も用意されています。有料版はGoogle Workspaceとして提供されており、GoogleフォームだけでなくGmailやDocs、Sheets、ドライブなど各種サービスを利用可能です。
「Googleフォームで予約システムを作る」とはどういうこと?
Googleフォームで予約システムを作るといっても、すぐにはイメージできないかもしれません。そこで思い浮かべていただきたいのが、アンケートフォームの希望に関する項目と個人情報に関する項目です。
- 予約希望内容や諸々を入力できるようなアンケートフォーム(受付フォーム)を作る
たとえば食の好みに関するアンケートフォームを作る場合、和食・洋食・中華などの選択肢が思い浮かびます。仮に会議室の予約システムを作る場合、和食などの選択肢をそのまま会議室の番号や名称に置き換えることで予約受付が可能です。また、アンケートの場合は個人を特定する項目がない場合もありますが、名前や属性など個人情報に関する項目を追加することで予約フォームとして活用できます。 - 予約希望者へフォームのURLを教える
サービスの利用者に作成したフォームのURLを周知することで、予約システムとして運用可能です。たとえば会議室の予約なら関係する社員に、一部の顧客向けサービスなら該当する顧客に教えるといったように、ニーズに応じて利用者の範囲を決めることができます。 - 回答入力→回答内容を確認
利用者がフォーム上で入力した回答内容を送信し、管理者はその内容を確認します。Googleフォームで作成する予約システムは、このように必要最低限のものではあるものの、固定客が多い小規模事業や社内での社員を対象とした運用などに活用すれば非常に便利です。
Googleフォームで予約システムを作成するメリット
予約システムを作成する方法はさまざまありますが、そのなかでGoogleフォームで予約システムを作成するメリットを確認しておきましょう。
「無料」で予約システムを作れる
まず、Googleフォームで予約システムを作成する大きなメリットとして「無料」で作れる点が挙げられます。有料のサービスを利用して予約システムを作成する場合、料金と機能のバランスの検討や予算などを考慮する必要があり、すぐには利用できないかもしれません。しかし、無料で使えるGoogleフォームであれば、費用を心配することなくすぐに活用できます。必要なのはGoogleアカウントだけです。
フォーム上の構造については充分な作成自由度がある
Googleフォームは無料で使えるサービスであるにもかかわらず、フォーム上の構造についてカスタマイズの自由度が高いといえます。よいデザインが思い浮かばない場合でも、豊富に用意されているテンプレートから予約内容に適したものを選択可能です。
住所や名前など文字入力が必要な項目は、短文なら「記述式」を、長文なら「段落」を選ぶことで配置できます。選択式の項目には前述どおりラジオボタン、チェックボックス、プルダウンのなかから選択可能です。たとえば、オプションをチェックボックスで選ぶといった使い方ができます。また、予約システムに必須の日付や時刻も簡単に設置可能です。
回答の自動集計ができる
Googleフォームで回答された結果は自動集計が可能です。グラフ表示で視覚的に確認、分析することもできます。また、Googleスプレッドシートにリンクしてデータを表示させ、加工することも可能です。
Googleフォームで予約システムを作成する場合の注意点
Googleフォームは無料で手軽に予約システムを作成できるツールですが、いくつか注意点があります。
あくまで「回答集め」がメインとなる
GoogleフォームはWeb上で簡単に、複数の人からの回答を集めるという点で大変便利なツールです。予約システムとしても、たとえばいつ・誰が・何を利用したいのかといった定型的な活用であればしっかりと役に立つでしょう。ただし、そのままでは本格的な予約システムとしての運用には無理があります。回答状況の管理や、回答をもとにした調整などは全部管理者が行わなくてはなりません。Googleフォームで送られてきた予約内容を、自分でしっかりと管理しておかないと、漏れやダブルブッキングなどの問題が生じかねません。
各種連絡の自動化などはできない
予約専用のシステムであれば、予約フォームによる回答に対するリアクションや案内、回答者が入力内容を変更したいとき、予約をキャンセルしたいときなどへの自動的な対応が可能です。しかし、Googleフォームでは自動返信メールの送信や回答後の編集などはできるものの、多くの場合で専用システムのような自動対応はできないため、別途やりとりする必要があります。
決済機能もない
Googleフォームを使って作成した予約システムは、回答を集める機能を使ったものであり、予約に特化した機能をもっていません。そのため、決済機能がない点に注意が必要です。有料サービスの予約を受け付ける際には、決済方法を別途用意する必要があります。決済機能がある予約システムを使い慣れた回答者には、マイナスのイメージを持たれるかもしれません。
管理者も回答者もGoogleアカウントが必須となる
日常的にGoogleのサービスを利用しているユーザーであれば気にしないかもしれませんが、Googleフォームの利用にはGoogleアカウントが必要です。管理者は当然として、フォームの設定がログイン必須となっている場合は、回答者もGoogleアカウントでログインする必要があります。
Googleフォームでの予約システムの作り方
それでは、実際にGoogleフォームで予約システムを作成する方法を紹介します。Googleフォームを作成するとGoogleドライブに自動保存されるため、保存の手間がかかりません。
ブラウザでGoogleフォームにアクセスする
前提としてGoogleアカウントが必要となるため、持っていない場合は先に取得しておきます。既存のアカウントを使用したくない場合も、新規取得するとよいでしょう。アカウントが用意できれば、次にブラウザでGoogleフォームにアクセスします。他のGoogleのサービスでログインしていれば、そのままアクセス可能です。
回答受付用のフォームを作成する
Googleフォームにアクセスしたら、新しいフォームを作成します。既存のテンプレートを選んでカスタマイズする方法もありますが、「空白のフォーム」を選んで必要な項目を配置して構築することも可能です。タイトルを決め、必要に応じて説明や目次も付けておきます。
質問に対する回答項目は記述式と選択式があります。
- 記述式…名前など短文の回答に用います
- 段落…特記事項や希望など長文の回答に適した回答欄です
- ラジオボタン…択一式の選択肢に用い、はい/いいえ回答にも利用されています
- チェックボックス…数にかかわらず必要に応じて該当項目を選択可能です
- プルダウン…押したときに選択肢が表示される択一式の選択肢で選択肢が多いときに便利です
たとえば、美容室の予約フォームを作る場合は以下のような項目を設定します。
- 記述式…顧客番号や氏名
- 日付…来店日
- 時刻…予約時間
- チェックボックス・プルダウン…カットやカラー、トリートメントなど施術メニューの選択、担当者の選択
- 段落…今回の予約で特筆したい希望など
回答オプションや入力規制などを設定する
設定タブで回答のコピーを回答者に送信する設定や回答の編集を許可する設定、メールアドレスの収集、回答進捗のバー表示や確認メッセージなどの設定を行います。
Googleスプレッドシートと連携する(※回答を自動集計したい場合)
回答タブには「スプレッドシートにリンク」と書かれたリンクがあります。このリンクをクリックすると、回答内容がGoogleスプレッドシートに反映され、データとしての利用が可能です。
回答者としてアクセスしてみて、動作を確認する
フォームの作成後には、回答者の立場でアクセスして動作確認を行います。作成画面では様々な表示があり、回答フォームをイメージしにくかったり、過不足に気づきにくかったりする可能性があるため、それも含めて動作確認は必須です。
完成した回答フォームのURLを、予約利用者へ周知する
フォームが完成したら、回答フォームのURLを予約利用者に正しく周知する必要があります。周知する手段は、メールやSNS、書面、自社サイトからのリンクなど状況や目的により様々です。Googleフォームの画面右上には「送信」ボタンがあり、ここからメール送信やリンクURLのコピー、埋め込みHTMLのコピーができます。
より本格的・多機能な予約システムを作りたい場合はクラウド型予約管理システムがおすすめ
Googleフォームを利用することで、簡易的な予約システムを無料で作成することができます。Googleフォームの予約システムに不足を感じるようになったら、本格的で多機能な予約システム作りへとステップアップするとよいでしょう。おすすめはクラウド型の予約管理システムです。たとえば、ChoceRESERVEなら予約受付から管理まで、トータルで活用でき、クレジットカード決済や外部連携にも対応しています。