自社のサービスや商品を顧客へ提供するにあたって、予約制にしたいというケースは多々あります。
現状、電話やメールなどで予約受付をおこない、ほぼ手作業で予約管理をしているという方には、「予約システム」を構築することをおすすめします。
本記事では予約システムを簡単に導入できるいくつかの方法や、予約システムの利点をご紹介します。
予約管理を手作業で行うことの大変さ(デメリット)
商品やサービスの提供を事前予約制にする際、もし電話や電子メール、その他「LINE」などのSNSで個別に受付をおこないつつ、手作業で予約状況を記入したり、細かな情報を人力で管理していたのでは担当者の労力が膨大となってしまいます。
手作業での予約管理ではどのような負担があるのか、以下に例を挙げてご紹介します。
自社の商売が繁盛するほど、対応すべき作業が膨大になる
当然のことながら、提供している商品やサービスの購入希望者・利用希望者が増えれば増えるほど、それに伴う予約受付業務量も増えてしまいます。
手作業での予約受付では業務効率化しようとしても限界があるため、予約受付だけのために大量の人員を割かなければならず、コストも膨大となってしまうでしょう。
ミスが頻発しサービスの信頼を損ねる
個々の細かな情報を取り扱わなければならず、煩雑にもなりやすい予約受付業務では、例えば予約内容や予約日などの情報の取り違えといったミスがどうしても起きてしまいがちです。
場合によっては個人情報消失・漏えいなど重大な事態も招きやすく、せっかく繁盛しているサービスの信頼度が、一気にガタ落ち! ということにもなりかねません。
イレギュラーな事態への対応の柔軟性に欠ける
予約管理業務においては、顧客からの急な予約日の変更、予約内容の細かい部分の変更、急なキャンセルといった要望にも対応しなければなりません。
人力で受付や管理をおこなっていると、こういったイレギュラーな対応に迅速かつ正確に対応するということが難しく、対応できる量に限界があります。
例えば予約日の変更希望を受けた際に代わりの日程をスムーズに提案できないようであれば、「それなら今回はもうキャンセルでよいです」と心変わりをされてしまうかもしれません。
予約受付する時間帯には必ず人が稼働する必要がある
人力で予約受付業務をおこなう場合、予約受付する時間帯には対応するスタッフが必ず窓口で稼働している必要があります。
電話受付の場合はもちろんのこと、メール受付の場合でも、サービス利用希望の連絡が入ってから一定時間内に受付の連絡を返すなど、迅速な対応をおこなう必要があります。
どうしても業務が属人化してしまう
人力で多くの情報量をさばいている場合、どうしても厳密なシステム化が難しい傾向にあります。
前述のような流動的な状況も踏まえつつ、対応に慣れたスタッフがその場その場での判断や対応をおこなう場面が多くあり、またそういった工夫によって成り立っているという側面があるからです。
このような状況は、ひいては業務内容自体の大幅な属人化を招いてしまいます。もし、受付業務に慣れたスタッフが急に出社できなくなった場合、現場の混乱や、大きな対応遅れなどにつながってしまうでしょう。
予約管理を少しでも簡単にするための4つの方法
予約受付や予約管理に関する業務を現在ほぼ人力でおこなっていて、限界を感じている……という方に向けて、ここでは業務を簡単にできる4つの方法をご紹介します。
Excel(エクセル)を使って予約管理を効率化する
まずは、ほとんどの業務用パソコンの場合にあらかじめインストールされており、社員やスタッフも使い慣れているであろう「Excel」を活用した予約管理の効率化をご紹介します。
Excelで作成されるデータはそもそも汎用性が高く、CSV、PDFといった他のデータ形式への変換も容易です。一度Excelへ入力してしまえば、データを例えば顧客管理システム、販売管理システムといった他のシステムで再活用することも簡単です。
例えば、Excelのワークシートで「商品名」「予約日」「予約者名」「連絡先」「備考」などの必要項目を設定します。Excelは利用者の大変多いビジネスアプリケーションであるため、自分でイチから作らずとも「Excel 予約管理表」などとWeb検索するだけでも、既成のフォーマットがたくさん見つかることでしょう。
フォーマットを作ったうえで、データ入力できるセルを制限する、重複予約があった場合にすぐ気づけるように条件付き書式機能で重複部分を強調表示させる、完売済の項目は赤くハイライトさせる、など工夫次第で使いやすい予約管理表を作成できます。
VBAやマクロなど、Excel上での複雑な処理を自動化できるツールを扱える人材がいるならば、ほぼ自動的な入力の仕組みを作ったり、受付後に動的な変換処理などをおこなったりといったことも実現できます。
ただしExcelの仕様として、単一のファイルを複数人で同時編集しづらい(同時編集する方法はあるが、ミスも生まれやすい)という点には注意が必要です。
たとえば小規模で提供サービスの種類も少なめの場合や、社内での会議室予約程度の管理には大変有効な手段ですが、大規模で複雑なサービス形態であったり、高いセキュリティ要件が求められる予約管理には向いていないといえるでしょう。
業務委託できるオンラインスタッフの仕組みを利用する
インターネット上での様々なサービスの中には、オンラインで常に稼働しているスタッフが、自社の業務の一部を請け負ってくれるというものもあります。
こういったサービスはWeb上で「オンラインアシスタント」「オンライン秘書」などと検索すると多く見つかるでしょう。
例えば自社の人員で予約受付業務をまかないきれなくなった際、あふれてしまった電話のコールや到着済みの電子メール、および事後処理などを業務委託し対応してもらうといったことが可能です。
この方法をとる場合、もちろんのことながら委託内容に応じて費用がかかり、また自社サービスの仕組みや商品詳細など社内情報を外部へ共有しなければならないという点には注意が必要です。
グルメサイトや旅行予約サイトなどの既存サービスを活用する
グルメ系の「ぐるなび」や「食べログ」、旅行系の「じゃらん」や「トリバゴ」など、業種によっては既存の著名なポータルサイトが存在します。これらのサイトを使って、顧客からの予約受付をおこなうという方法があります。
こういったポータルサイトでは、サイト内で既に予約受付の仕組みが組み込まれており、ユーザーも気軽に予約をとる方法として使い慣れているため、自社の業務負担を減らしつつも顧客を増やせる可能性があります。
ただし利用するポータルサイトによって月額利用料がかかり、また売上が向上するほどにポータルサイト側へ支払わなければならない料金が増えてしまうというケースもあります。
また、著名なポータルサイトでは登録店舗数も既に膨大となっているため、自社が登録したからといって必ずしもサイト内の上位(ユーザーに目をとめてもらいやすい箇所)に掲載されるとはかぎりません。
また業種によっては、そもそもマッチする既存サイト自体が見つからない場合もあるでしょう。
Webで予約受付できる予約管理システムを構築する
最後にご紹介する方法は、ユーザーからの予約をWeb上で自動受付できる仕組みを自社で構築するという方法です。
この予約管理システムについて、以下で詳しくご紹介していきます。
予約管理に関する業務を簡単に自動化できる予約管理システム
予約管理システムを構築すれば、前述の「予約管理を手作業で行うことの大変さ」の項でご紹介した煩雑さをすっきりと解消できます。
具体的には、以下のような解決をもたらしてくれます。
- 予約の受付やデータベース化が自動のため、予約量が増えたからといって受付担当者を増やす必要がない(人力に依存しない)
- 顧客が入力した情報がそのまま管理情報へ反映するため、社内側の手作業によるミスが発生しない
- 予約日の変更や予約内容の変更、追加やキャンセルなどの対応もシステム任せにできる
- 24時間、365日の予約受付が大量の人員配備なしに実現できる
- 条件ごとの対応方法の違いなども明確にシステム化し、対応内容を統一できる
以下では、この予約管理システムについて、自社で簡単に構築するための方法を4つご紹介します。
予約管理システムを簡単に構築する方法①Googleサービスで予約の仕組みを構築する
まずご紹介するのは、Google社が提供している、無料で使えるクラウドサービスですべてをまかなう方法です。
入力フォームを簡単な操作で作成できる「Googleフォーム」で、予約受付用のフォームを作ります。Googleフォームでは入力形式をプルダウン選択式にしたり、ラジオボタンにしたり自由入力形式にしたりといったアレンジも項目ごとに簡単に調整できますので、どのような提供サービスの予約受付にも対応しやすいでしょう。
フォームで利用者から入力された氏名・予約内容といったすべての情報は、設定しておくことによって「Google スプレッドシート」へ自動的に反映できます。個々のユーザーがバラバラなタイミングで入力した予約情報も、管理者側ではスプレッドシートによってわかりやすく一覧で管理できます。スプレッドシート上では、いつ情報が入力されたかを示すタイムスタンプとともに、リアルタイムに情報が更新されていきます。
また、同じく無料で利用できる「Google カレンダー」で顧客へ公開するカレンダーを設定しておき、Google カレンダー上で予約を受付するという方法もあります。
ただし、これらの方法は主に「受付や入力」の部分が自動化されるだけで、管理業務については人の目でほぼ行う必要が出てくる点に注意が必要です。
また、Googleサービスを共有するにあたっては利用者(予約者)側もGoogleアカウントをすでに取得している必要があります。
予約管理システムを簡単に構築する方法②自社でできる範囲で制作する
続いてご紹介するのは、WordPressやプラグインを使って自社で予約受付サイトを構築するという方法です。
「WordPress」はCMSという仕組みを使ってWebサイトを自由に作れるソフトウェアであり、実際に「現在の自社サイトはWordPressで作っている」というケースも多くあることでしょう。
「プラグイン」は、ソフトウェアが持つ基本機能にさらに様々な機能を追加できる仕組みのことで、WordPressのプラグインには「予約受付の仕組みを追加する」ものも多く存在しています。
例えばWordPressのプラグインで予約用のカレンダーや商品内容案内などを作成したうえで、既存の自社サイトに埋め込めばサイト内で予約受付用のフォームが表示されます。
この方法は、前述のように「既にWordPressで自社サイトを運用している」という場合や、WordPressおよびCMSについて一定以上の知識がある場合に大変有効な方法です。
予約管理システムを簡単に構築する方法③開発会社に依頼し構築してもらう
予約管理システムの構築が自社の人員だけではどうしても難しい、という場合には、思いきってシステム構築を外部のシステム開発会社に依頼するという手段もあります。
この方法では、自社が依頼したとおりにイチから制作してもらえるため、構築の自由度が大変高く、独自サービスにも完全にマッチした予約受付システムを構築可能です。
ただし、自社のサービスに関する情報を開発会社へ共有する必要があること、また内容によっては制作期間が長めとなってしまうこと、制作費用に関しても数百万円~それ以上がかかる場合があることなどに留意しておきましょう。
また、システム構築後にも、もし稼働後の運用自体を委ねたり、あるいは技術面のサポートを依頼する場合にはかかるコストが膨大となってしまいがちです。
予約管理システムを簡単に構築する方法④クラウド型予約管理システムを活用する
予約管理システムを簡単に構築する方法として最後にご紹介するのは、クラウド型の予約管理システムを活用する方法です。
クラウド型の予約管理システムは、文字通りクラウド(インターネット上)で既存サービスとして常に稼働しているシステムであり、利用したい場合には利用申し込みをするだけで、特別な機器の準備やソフトウェアのインストールなども無しに利用できます。
現在ではクラウド型の予約管理システムが様々な事業者から提供されていますが、多くのクラウド型予約管理システムで共通する特徴としては、以下のようなものがあります。
端末や環境の制限なしにあらゆる利用者が簡単に予約操作できる
クラウド型のサービスは、もともと常に稼働しているサービスに対して「利用者がいつでも簡単にアクセスできるように」という理念で設計されています。
企業が自社のサービスのためにクラウド型の予約管理システムを導入する場合、予約状況を管理する側となる企業の担当者も、予約をおこなう顧客側も、いつでもどこでも、簡単に操作がおこなえるようになっています。
例えばPCのみならずスマートフォンの画面上でも簡単に操作が完結する、といった点も多くの予約管理システムで共通していますので、多くのユーザーが仕組みを気軽に利用できます。
予約状況の変更もリアルタイムに反映
多くのクラウド型予約管理システムでは、予約受付も情報の管理もひとつのシステム内で完結しています。
例えば予約利用者側から予約内容の変更操作があった場合、入力が送信された段階でシステム側に即反映し、管理者はリアルタイムで最新の状況を閲覧できます。
管理システムもクラウドベースのため多店舗経営でも一元管理
予約情報の管理システムがクラウド上で動作しているという点は、たとえば多店舗経営の場合にも有利に働きます。
複数の店舗を統括する本社の管理者は、各拠点での予約受付状況をクラウド上でリアルタイムに一括確認できます。
また、管理者IDについての細かな権限分けが可能な予約管理システムも多く存在しますので、例えば支店長には自店の顧客情報の閲覧・操作だけを許可するといった設定も可能です。
システム側のメンテナンスを事業者に任せられる
クラウド型サービスは基本的に、システム自体のメンテナンスや、システムが稼働するインフラ(ネットワークなど)のメンテナンスをサービス提供事業者側がおこないます。
企業が自社内でネットワークやサーバーを構築する場合と比較して、管理やアップデートをおこなわなければならない範囲が小さくなるため、運用管理のためのコストを大幅に抑えられます。
オンライン決済を導入できる
多くのクラウド型予約管理システムでは、オンラインですべて完結するという仕組みを活かしてオンライン決済を採用しています。
予約利用者が、例えば予約と同時にクレジットカードでサービス利用料の支払いまでをあらかじめ済ませてしまい、来店当日はサービスや商品を享受するだけ、という仕組みを実現できます。
他システムとのAPI連携が容易
ビジネスにおいては、顧客管理システムや販売管理システムなど、すでに業務向けのシステムをなにかしら運用している場合が多くあるでしょう。
他システムとのAPI連携に対応している予約管理システムの場合、連携先がクラウドサービスであっても非クラウド(オンプレミス)であっても、容易にデータ連携できます。
例えば予約受付に際しては個別IDなどを含めた簡易的な情報入力をしてもらうだけで簡単に受付できるようにし、取得したIDと既存の顧客管理システムを自動連携して詳細な顧客情報と紐づける、といった活用方法もあります。
クラウド型予約管理システム「ChoiceRESERVE」なら導入も運用も簡単!
予約管理システム「ChoiceRESERVE」は、多機能かつ使いやすいクラウドタイプの予約システムです。
2010年のサービス開始以来、「予約」に関する課題の解決をモットーに豊富な機能と導入の容易さを実現してきました。
以下で、「ChoiceRESERVE」についておすすめのポイントをご紹介します。
予約管理業務を簡単にしたい、サービス品質を落とすことなく業務負担を減らしたいという際には、ぜひご検討ください。
多種多様な業種への導入実績に基づいた使いやすさ
「ChoiceRESERVE」は、金融機関、航空会社、クリニック、旅館、スクール、サロン、飲食店、イベント運営など幅広い業種のさまざまなお客様に導入いただいています。
予約メニュー設定の柔軟性、他サービスとの連携、強固な情報セキュリティなどを備えたクラウド型予約管理システムで、どのような業種・業態のお客様でも最適な予約受付サイトを運用いただけます。
自社のイメージに合わせたサイトを構築しやすい
予約サイト作成時には、カラーリングやロゴデザイン、画像挿入などの設定が簡単におこなえるようになっています。
シンプルな予約受付フォームのみならず、「この企業ならでは」とアピールできるような受付サイトも作成できますので、企業イメージに適応するプロモーションが可能です。
コンテンツ編集もCMSで自在
簡単な操作で完了できるコンテンツ作成だけでなく、CMS編集を利用した細かなカスタマイズも可能です。
管理権限分けなど、予約管理のための機能が豊富
複数の管理者による操作権限分けや集客状況の計測・分析機能、サイト自体の広告効果を上げるためのSEOタグ設定など、予約管理者にとって便利な機能も豊富に取り揃えています。
完全会員制サイトや多店舗経営などあらゆるニーズに対応
完全会員制での予約受付サイト、多店舗の場合にも予約管理をおこないやすい機能など、お客様の状況ごとに柔軟な仕組みを構築することが可能です。
導入後のフォロー体制が万全
月額制でご利用いただくクラウドサービスならではのフォロー体制をご用意しております。
運用開始後のご不明点、ご相談などがございましたら、随時お気軽にお問い合わせください。
また、予約に関する様々な情報を発信するWebメディア「予約ラボ」も運営しております。「予約ラボ」では、予約システムの具体的な活用事例やマーケティング調査結果など、予約の仕組みを運用していくにあたって役立つ情報を配信しております。
デモサイトで導入前に制作イメージを確認できる
実際に「ChoiceRESERVE」を導入したら、自社の業種ではどのようなサイトになるのだろう? という疑問を解決できる情報として、以下リンク先ではさまざまな業種パターンで、実際に操作できるデモサイトをご用意しております。
デモサイトでは、様々な業種例ごとに、予約利用者が例えばどのような画面で予約をおこなうことになるのか、ということを視覚的に確認できます。具体的な活用イメージをつかんでいただきやすいと思いますので、ぜひご参考になさってください。
自社に適した方法で、予約管理を簡単にしよう
本記事では、ExcelやGoogleサービスなどを使ったコスト不要のごく簡易的な手段から、システム開発会社への外注、クラウド型予約管理システムの導入など様々なパターンで「予約管理を簡単にする」方法をご紹介しました。自社のサービス提供規模、社内人員のスキルやかけられるコストなどを考え合わせのうえ、ぜひぴったりの方法を選択してください。