
Googleの検索結果から直接予約ができる「Google で予約(グーグルで予約)」という機能をご存知でしょうか?「Google で予約」は、Google検索やGoogleマップから直接、飲食店や美容院、フィットネスなどの予約ができる機能です。ユーザーは手間なく予約でき、店舗はGoogleからの集客増と予約管理の効率化が期待できます。
本記事では、「Google で予約」のサービス概要とメリットのほか、使い方や導入方法を解説します。
「Google で予約」はどんなサービス?
「Google で予約」は、検索エンジン最大手のGoogleが2016年にリリースしたサービスです。
「Google で予約」で予約できるジャンルは、レストラン、アクティビティ、美容、フィットネスなどがあります。Google検索やGoogleマップから直接予約ができるため、お店のサイトや外部予約サービスに遷移することなく予約を完了できる点が特徴です。
提供するお店側にとっても集客アップが期待でき、お店やサービスを探すお客さまにとっては利便性が高いことから、今後も需要が高まる予約サービスとして注目を集めています。
「Google で予約」の使い方
「Google で予約」は、「Google 検索」「Google マップ」「Googleアシスタント」などで利用できます。
Google 検索の場合
Googleで検索したお店が「Google で予約」に対応している場合、Google に表示される情報ボックス(ナレッジパネル)に店名と「席を予約」のリンクボタンが表示されます。
リンクをクリックすると、予約希望日時を選択する画面が表示され、予約者情報を入力することで予約が完了する仕組みです。
Google マップの場合
Google マップは、世界中の地図データと航空写真をもとに、経路検索や位置情報の共有ができる地図サービスです。マップ上部にある検索バーを使ってキーワード検索やローカル検索を行ったり、マップ上に表示されているお店を見つけたりすることが可能です。該当のお店が「Google で予約」に対応していれば、Google検索と同様に、「席を予約」のリンクボタンが表示されます。
「オンラインで予約」(飲食店の場合は「席を予約」)のリンクボタンをクリックすると人数や日付、予約したい時間帯などの詳細を選択することができます。
店舗向け「Google で予約」の導入方法と流れ
「Google で予約」は、Google が提供する予約システムではありません。Google と提携したパートナー(サービス提供事業者)の予約システムと連携することによって導入することができます。予約システムを導入するには、Google ビジネス プロフィールに登録する必要があります。
Google ビジネス プロフィールに登録する
Google ビジネス プロフィールは、Googleの検索結果に表示されるローカルビジネス情報を登録・管理できる無料サービスです。ビジネスの名称、住所、サービス提供地域、電話番号、ウェブサイトのURLなどの情報を入力します。
▼登録方法
Google ビジネス プロフィールのスタートガイド
「Google で予約」に対応したパートナーと契約する
「Google で予約」は、お店の業種や形態に合わせてGoogleが認定したパートナー(サービス提供事業者)と契約を結ぶことで利用できます。パートナーが提供する予約システムの利用料金はサービスごとに異なるので、契約前に確認しておきましょう。
なお「Google で予約」が利用できる業種は、大きく分けてレストラン、アクティビティ、美容、フィットネスの4ジャンルです。対象のサービス例と主なパートナーは下記です。
レストラン
飲食店全般が対象です。予約をしたいお客様の希望する人数、日付、時間をもとに、予約が空いている時間から選択することができます。
主な提携パートナー例:「ぐるなび」「ヒトサラ」など
アクティビティ
イベントや観光スポットを対象に、お客様は付近で開催予定のイベントや観光スポットのチケットを予約することができます。
主な提携パートナー例:「FunNow」など
美容
美容室、ネイルサロン、エステサロンなどを対象に、お客様は希望の日時やメニューを選択し、予約ができます。
主な提携パートナー例:「EPARKビューティー」「ネイルブック」など
フィットネス
ヨガ、フィットネス、ピラティスなどのレッスンクラスの予約に活用できます。
主な提携パートナー例:「エキテン」「STORES予約」など
▼「Google で予約」パートナーの詳細情報
パートナー
契約後の設定
Googleと予約システムの連携は、パートナーごとに異なります。多くは契約した予約システムの管理画面で設定を行うことで、Googleビジネスプロフィールに予約のリンクが表示されます。
予約システム側の設定確認・調整
まず、提供するサービスやメニューの詳細を登録しましょう。種類、内容、料金などを正確に入力することで、ユーザーは予約内容を具体的に把握できます。
次に、Googleに表示される予約枠や営業時間を調整します。定休日や特別休業日なども含め、最新の情報をGoogleビジネスプロフィールと同期させましょう。
Googleビジネスプロフィールでの確認・微調整
パートナーとの契約と設定が完了したら、「Google で予約」が正しく機能しているか確認しましょう。まず、Googleビジネスプロフィールに「予約」ボタンが自動で表示されているかを確認してください。もし表示されない場合は、利用中の予約システムに問い合わせるか、Googleビジネスプロフィールの「予約」タブから連携状況を確認できます。
複数の予約リンクを運用している場合は、Googleビジネスプロフィール上で「Google で予約」の表示優先順位を設定し、ユーザーがスムーズに予約できるように調整することも可能です。最後に、Googleビジネスプロフィールの管理画面にある「インサイト」や「パフォーマンス」の項目で、Google経由の予約数を定期的にチェックしましょう。このデータをもとに集客効果を分析し、今後の改善に役立てられます。
「Google で予約」を利用する店舗のメリット
「Google で予約」を導入した際の店舗側のメリットについて解説します。
ユーザーの利便性が向上する
「Googleで予約」がない場合は、お店のウェブサイトから予約フォームを探したり、外部の予約サイトへ遷移する必要があります。WEB予約がない場合は、問い合わせ先を見つけて電話やメールをする手間も発生します。
「Googleで予約」の場合は、希望するお店やサービスを見つけてから予約まで、最小限の操作でダイレクトに予約できます。Google アカウントに情報を登録していれば、氏名や連絡先などの個人情報を入力する手間がかかりません。
お店の発見から予約まで最小限の労力で完結するため、予約手続きの途中で離脱防止も期待できるでしょう。
予約管理の業務が効率化される
WEBで予約を完結できることで、電話やメールによる予約申し込みや予約確認にかかる時間が大幅に削減されます。
また、受け付けた予約は、あらかじめ指定したGoogle カレンダーや契約した予約システムの管理画面に自動的に反映されます。予約状況を一元的に管理することで、ブッキングや入力漏れによる機会損失を軽減します。
データ分析ができる
Google ビジネス プロフィールを登録すると、アクセス解析機能「インサイト」の利用もできます。インサイトは、Google マップの地図エンジンで検索した際、上位に表示されるようにするためのMEO(マップエンジン最適化)に有用な分析ツールです。ビジネスプロフィールを閲覧した人の流入経路や閲覧数など、多くのデータを確認できるようになります。
「Google で予約」をお店側が導入する際の注意点
「Google で予約」の利用にあたっては、いくつかの注意点があります。
お店側とお客様の双方にGoogle アカウントが必須
利用には、お店もお客さまもGoogle アカウントが必要です。お店が「Google で予約」の機能を導入するには、Google ビジネス プロフィールに登録する必要があります。お客様もGoogleアカウントにログインをしないと、予約を進めることはできません。
パートナー契約が必要
「Google で予約」は、連携しているパートナー事業者との契約を済ませた後に利用できます。パートナーとの契約の多くは有料です。また、お店のサービスに合うパートナーを自身で選ぶ必要があります。
詳しい予約情報まで管理できない
予約時にお客様の手間がかからない分、お店側が受け取る情報は限定的です。お客様に関する基本的な情報しか得られないため、年齢に合わせてサービスを最適化したり、ターゲットの分析を行なったりするには限界があります。
高度な設定に対応していない
「Google で予約」では、これまでの来店履歴や利用サービスなどのユーザー管理や、来店のお礼メールを送るといった高度な設定には対応していません。お客様に付加価値のサービスを提供したい場合、別のツールを検討する必要があります。
「Google で予約」ユーザーが予約するまでの流れ
「Google で予約」は、ユーザーがGoogle検索やGoogleマップから店舗を見つけ、スムーズに予約を完了できる便利な機能です。ここでは、予約者がサービスを利用する際の具体的なステップを解説します。
1. 店舗の「予約」ボタンをクリック
検索やGoogleマップに表示されたお店の「席を予約」または「予約」をクリックします。
2. 予約する人数と日時を選択
予約する人数と日時を選択します。
3. 予約者情報を確認
「連絡先情報」にGoogleアカウントに登録したメールアドレス、氏名が表示されます。
4. 予約完了
キャンセルポリシーなどを確認して「予約」ボタンをクリックすると、予約が完了します。
「Google で予約」を利用するユーザーのメリット
ユーザーにとって、使い慣れたGoogleサービスからスムーズに予約ができる他にも、数多くのメリットがあります。
好きなタイミングで予約ができる
「Google で予約」は、予約したい時にいつでも利用できる点が大きなメリットです。店舗の営業時間に関わらず、24時間365日、好きなタイミングで予約手続きを進められます。スマートフォンやPCからすぐに予約を確定できるため、電話をかける手間や営業時間内に連絡する煩わしさがありません。
予約完了までのステップが短い
Google検索やGoogleマップで店舗を見つけたら、「予約」ボタンをタップするだけで、すぐに予約画面へ移行できます。行きたい店舗の情報を探し、そこからさらに別の予約サイトに移動して手続きを進める、といった手間が省けます。
ID、パスワードが不要
多くのオンライン予約サービスで求められるIDやパスワードの入力が不要な点も、「Google で予約」の大きなメリットです。Googleアカウントにログインしていれば、新たにサイトごとに会員登録したり、複雑なパスワードを覚えたりする手間がありません。これにより、ユーザーは余計な情報を入力する煩わしさから解放され、より手軽かつ迅速に予約を完了できます。
より高度な予約管理にはクラウド型予約システムの活用がおすすめ
検索から予約まで一気通貫でできる「Google で予約」は、お客様の「面倒くさい」を解決する便利なサービスだといえるでしょう。「Google で予約」だけではできないことも少なくありません。その場合は、予約に特化した予約システムを導入する、という方法もあります。
クラウド型予約システム導入のメリット
業務効率化と予約管理の自動化
「Google で予約」でも一部の自動化は可能ですが、クラウド型予約システムはさらに予約の業務効率化と自動化を実現します。手動での電話応対や台帳記入といった作業が不要になるだけでなく、予約確認からリマインド、サンキューメールの自動配信までシステムが行います。これにより、スタッフは予約管理から解放され、顧客への質の高いサービス提供や店舗運営といった、より重要な業務に集中できます。
柔軟なカスタマイズ性と拡張性
「Google で予約」はシンプルな機能提供に特化していますが、クラウド型予約システムはビジネスの多様なニーズに対応できる柔軟なカスタマイズ性が大きな強みです。業種ごとの複雑なメニュー設定、スタッフ指名、回数券・月額課金といった料金体系、特定のオプション追加など、ビジネスモデルに合わせた細かい設定が可能です。さらに、将来的に店舗数を増やしたり、新しいサービスを導入したりする際にも、システムをスムーズに拡張できるサービスもあ他の業務システムとのAPI連携にも対応しているケースが多く、既存のITインフラとの統合により、業務全体のシームレスな運用とデータ活用を実現できます。
顧客管理機能
クラウド型予約システムは詳細かつ多角的な顧客管理機能を提供します。予約時に取得する顧客情報をカスタマイズすることで、店舗経営やサービス提供時に必要な情報を取得することが可能です。単なる予約履歴だけでなく、来店頻度、購入履歴、好み、アレルギー情報、顧客からのメモなど、顧客一人ひとりの情報を網羅的に蓄積し、一元的に管理できます。
予約システム選定のポイント
必要な機能が備わっているか(業種・ビジネスモデルとの適合性)
クラウド型予約システムを選ぶ際、最も重要なのは、自社のビジネスの特性や業種に合った機能が備わっているかです。例えば、多店舗展開している場合は、役職や店舗ごとの権限設定があると便利です。
自社の提供するサービスや顧客の予約フローに合っているかを確認することが、スムーズな導入と運用につながります。無料トライアルを活用して、自社の業務にフィットするかを事前に検証することをおすすめします。
使いやすさとサポート体制
システムを最大限に活用するには、管理者とユーザーにとって使いやすいことが重要です。店舗スタッフが日常的に利用する管理画面は、直感的で操作が簡単なものがストレスなく導入できます。予約状況の確認、変更、顧客情報検索などがスムーズに行えるか、スマートフォンやタブレットからの操作に対応しているかを確認しましょう。一方、ユーザーが予約する際のウェブサイトやアプリも、シンプルで分かりやすく、予約完了までのステップを確認しましょう。
また、システム導入後のサポート体制も非常に大切です。トラブル発生時や不明点が生じた際に、電話、メール、チャットなど複数の問い合わせ方法があり、迅速かつ的確なサポートが受けられるかを確認してください。初期設定のサポートや、導入後の運用相談に乗ってくれるかどうかも、長期的な運用を成功させる上で見逃せないポイントです。
セキュリティ
顧客の個人情報や決済情報を取り扱う予約システムにおいて、セキュリティ対策は最優先で確認すべきポイントです。個人情報保護法や各種規制を遵守しているか、情報漏洩や不正アクセスからデータを保護するための具体的な対策が講じられているかを確認しましょう。
また、緊急時の対応フローが確立されているかも確認しておくと安心です。信頼性の高いセキュリティ対策が講じられているシステムを選ぶことで、顧客からの信頼を得られるだけでなく、ビジネスリスクを低減することにもつながります。
予約システムなら「ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)」
「ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)」は、予約受付・管理、複数拠点対応、詳細な料金設定など豊富な基本機能を持ち、導入から運用まで専門チームによる手厚いサポートがあります。企業のセキュリティ要件にも対応し、Googleカレンダーや自社サイト、会計・顧客管理システムなどとの柔軟な連携が可能です。
Google検索結果に表示される「予約」リンクを設定することで、検索結果から直接予約サイトへ誘導することも可能です。
▼参考
Googleカレンダーに自動連携できる予約システム | ChoiceRESERVE