予約受付や情報管理に関する業務負担が大幅に軽減できる予約システムですが、予約システムを導入して顧客の大切な個人情報を取り扱うためには、自社側でのセキュリティ対策のみならず、予約システム側のセキュリティ対策状況も重要となります。
本記事では予約システム側でのセキュリティの重要性と、リスクを考慮したサービスを選ぶ際のチェックポイントを解説しています。

予約システムのセキュリティの重要性

個人情報を画面で入力する人

自社で導入する予約システムを選定する際には、自社が実現したい自動化や効率化につながる機能があるか、有料か無料か、月額料金など運用するための料金はどの程度か、予約サイトを作成したり管理する際の操作性はどうか、など様々なチェックポイントが考えられますが、それらとあわせて大切となるポイントのひとつに、セキュリティの高さが挙げられます。
以下で、予約システムのセキュリティがなぜ重要なのかを解説します。

予約システムは多くの個人情報を取り扱う

予約システムで顧客が入力する情報には、予約者の氏名や住所、家族構成といった情報のほか、サービス予約状況や利用状況、購買状況やアンケート回答で得られた意見・趣味嗜好など、あらゆる個人情報が含まれます。
例えば万が一にも、予約システム側の不具合や脆弱性により情報漏えいが起こってしまった場合には、企業の存続にも関わる重大な事態に陥りかねません。
その状況が例え予約システム側の不具合であり企業の直接的な不注意やミスによるものではなかったとしても、予約利用者にとっては「自分が予約をしたのはお店に対してなので、お店側の責任」という解釈となり、信頼失墜や損害賠償、法令違反などにいたってしまうリスクまでがおおいにあります。

多くの予約システムはクラウドサービスであり、社内のセキュリティ対策構築だけではまかなえない

例えば予約システムを導入する企業側や店舗側が、業務で利用する端末へセキュリティソフトを万全にインストールしていたとしても、そのセキュリティ対策はあくまで端末側へダウンロードしたデータや端末から送信するデータにしか働きません。インターネット上で常時動作する、クラウドサービスにとっては無意味です。
多くの予約システムはクラウドサービスであり、クラウドだからこその多くの利点もある一方で、セキュリティレベルはあくまでクラウド事業者側のセキュリティ対策状況に依存するという注意点もあります。

ただし、予約システムを利用するにあたっての社内や店舗側での運用ルール策定や、操作権限分けなどをしておくことは大変有効な、企業側でおこなえる対策です。その面では、重要な情報を閲覧できる管理画面において、細かなアクセス権限設定を行いやすい予約システムを選ぶとよいでしょう。

クラウドサービスのセキュリティは世間的にも重視されている

キーボードと「CLOUD」の文字

近年では、予約システムに限らず多くの業務系システムや、情報を取り扱うデータベースなどがクラウドサービス化されており、その利便性からほぼすべての業務をクラウド上でおこなっているという企業や店舗も一般的になってきています。
そういった傾向のなかで、クラウドサービスならではのセキュリティリスクについても大きく注目されており、いかに対策すべきかが重要となっています。

「情シス担当者の6割」がクラウドサービス利用にセキュリティリスクを感じているとの調査結果も

セキュリティプラットホームを提供しているアシュアード社が近年実施した調査によると、大手企業内の情報システム担当者のおよそ6割ほどがクラウドサービスに一定以上のセキュリティリスクを感じると回答しており、また自社のセキュリティ評価をおこなったうえで、評価自体に課題を感じているという回答は9割近くにものぼっています。

大手企業のセキュリティ管理を担う情シス担当者自身にこのような所感が多いことからも、クラウドサービス選定時にはセキュリティを重視すべきであることが伺えます。

▼参考:
株式会社アシュアード「(Assured調べ)情シス担当者の6割がクラウドサービスの利用にセキュリティ上の不安、9割が評価体制に課題」

例年発表されてるIPAの「情報セキュリティ10大脅威」でも「インターネット上のサービス」への不安が挙げられている

経済産業省が運営するIT政策実施機関である、「IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)」では、例年「情報セキュリティ10大脅威」という命題で、社会的に影響が大きいと考えられるセキュリティリスクの事案を発表しています。

最新の2024年における発表では、以前と異なりリスクの順位付けはなされていないものの、“インターネット上のサービスからの個人情報の窃取”、“インターネット上のサービスへの不正ログイン”といったように、従来から変わらずインターネット上のサービスを利用することによるリスクが警鐘として大きくピックアップされています。

▼参考:
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)「情報セキュリティ10大脅威」

予約システム提供事業者のセキュリティ対策を知るうえで基準となるガイドライン・認証制度

ガイドラインを参照するビジネスマン

予約システムをはじめとしたクラウドサービスのセキュリティ対策状況を利用者が推し量るにあたって、指標となる公的なガイドラインがいくつか存在します。
セキュリティ対策面を重視して予約システムを選ぶ際には、以下でご紹介するような、いずれかの基準に準拠した対策をおこなっていて、なおかつ公式サイトなどで対策状況を公表しているサービスを選ぶことはとてもよい選定方法です。

経済産業省「クラウドセキュリティガイドライン」

経済産業省が制定している情報セキュリティに関するガイドラインです。
クラウドサービスの構造としてクラウド利用者側のIT環境とクラウド事業者側のシステム環境がまずあり、そこでの分散処理や仮想化といった技術面での仕組みや、そのほかのクラウド事業者を取り巻く環境といったことまでを含めた包括的な定義となっています。
クラウドサービスで考えられる課題や対策がガイドされているため、このガイドラインの内容を把握することも利用者側にとって大変よい勉強になりますし、またこのガイドラインに準拠していると公表しているクラウドサービスを選ぶことも有効です。

▼参考:
経済産業省「クラウドセキュリティガイドライン活用ガイドブック」

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)による「安全なウェブサイトの作り方」

前述のIPAによる、ウェブアプリケーション上のセキュリティ対策やスクリプティング(プログラム上での動作の記述)、SQLインジェクション(データベース関連技術)などにおける脆弱性につながるポイントについて対策が示されています。
予約システムで蓄積される顧客の予約情報はデータベースそのものであるため、クラウドサービス事業者にとっても大変参考になるガイドラインとなっています。

▼参考:
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)「安全なウェブサイトの作り方」

ISMS-AC(情報マネジメントシステム認証センター)「ISMS適合性評価制度」

ISMS-AC(情報マネジメントシステム認証センター)は、国際レベルの認定機関間の相互承認や策定の協力などをおこなっている一般社団法人です。
ISMS-ACによるこの評価制度においては、情報セキュリティに関する技術対策や、組織に必要なセキュリティレベルなどが網羅的に定義されています。
評価制度には基本的な個人上保護の観点で策定された「ISMS認証」と、さらにクラウドサービス固有の管理策までを含めた「ISMSクラウドセキュリティ認証」があるため、ISMS認証への対策状況を確認する際には、この両方に則った対策をおこなっているクラウドサービスを選ぶことをおすすめします。

▼参考:
ISMS-AC(情報マネジメントシステム認証センター)「ISMS適合性評価制度」

認証制度以外で重要となる、予約システムのセキュリティ上のポイント

空に浮かぶ「POINT」の文字

予約システムのセキュリティ対策状況や、セキュリティへの意識レベルをチェックする際には、前項でご紹介したような各ガイドラインのいずれかに対応していることに加え、以下でご紹介するような具体的な特徴を予約システムが備えているかも見ておくとよいでしょう。

SSLや暗号化に対応していること

インターネット上で常時稼働する、クラウドサービスである予約システムでは、導入する企業や店舗も、そして予約操作をおこなう顧客も基本的にインターネットブラウザでアクセスし、情報を閲覧したり入力したりすることとなります。

このネットワーク上やサーバー内での情報のやりとりにおいて、セキュリティ上重要となるのが「SSL(Secure Sockets Layer)」という技術です。
インターネット上でのデータの送受信がおこなわれる際に、SSLの技術に対応しているサービスであればすべての情報が暗号化されたうえで送受信されます。
もちろん、暗号化されていれば盗聴や漏えいがあっても絶対に安心、というわけではありませんが、暗号化された情報は複合化(暗号化されるまえの情報に戻す)を簡単におこなうことはできません。

管理者ごとの操作ログをいつでも取得できること

予約システムの管理画面では、アクセス権限を与えられた管理者が顧客情報や予約情報を閲覧したり、操作したりすることとなります。
万が一、データの不適切な改ざんや削除などがおこなわれた場合には、いずれかの管理者の操作によるものなのか、外部からの不正なアクセスなのかといった原因究明を操作ログを使っておこなうこととなります。
そのため、管理画面の操作ログや操作によって発生したイベントなどを詳細に一覧表示できて、いつでも取得できる予約システムを選ぶと安心です。

複数管理者で操作権限を細かく設定できること

予約システムの管理画面へアクセスできる管理者がたった1人では、業務の規模が大きければ大きいほど不便であり現実的ではないため、一般的に複数の管理者を設定して運用することとなります。
この際に、管理者を複数にしつつもトップレベルの統括管理者を据え、配下の各管理者には閲覧や操作をおこなえる範囲を限定し、さらに店舗スタッフには業務に関連する情報の閲覧のみを許可するといった、細かな操作権限分けがセキュリティ上大変有効です。
こういった運用を実現するために、管理権限設定の柔軟性が高い予約システムを選びましょう。

管理画面へのアクセス制限を設定できること

予約システムのなかには、管理者IDの面でのアクセス制限とあわせて、アクセス元のIPアドレスでも各情報へのアクセス可否を設定できるものがあります。
このような機能がある予約システムであれば、例えば広いアクセス権限をもつ担当者でも社外からのアクセスは禁じたり、あらかじめ許可された部署内でのアクセスのみ許可するといった運用が可能です。

第三者のクラウドリスク評価機関により定期的に評価を受けていること

前述の「クラウドサービスのセキュリティは世間的にも重視されている」の項で調査結果を運用したアシュアード社のように、様々なクラウドサービスに対して第三者の視点でセキュリティ対策状況を評価している機関が存在します。
こういった評価機関によってセキュリティレベルが一定以上であると評価されているクラウドサービスを選ぶと安心です。第三者機関によるセキュリティ評価状況については、各サービスの公式サイト上で公開されていることが一般的です。

公式サイト上で導入実績をチェックするのもおすすめ

OKマークを手で作るビジネスマン

予約システムのセキュリティ対策レベルをチェックする際には、各事業者の公式ホームページ上で実際の導入社数を確認するほか、特に金融機関や官公庁、膨大な顧客情報を扱う大手事業者などの導入実績がどの程度あるのかもチェックすることをおすすめします。
セキュリティを重視するそういった事業者や組織の導入実績が豊富であれば、セキュリティ対策が高水準な予約システムである可能性が高くなります。

予約システム「ChoiceRESERVE」は高いセキュリティレベルを実現

画面上のロックマーク

株式会社リザーブリンクが提供するクラウド型予約管理システム「ChoiceRESERVE」では、予約システムが取り扱うこととなる機密情報の保護が何より重要と考え、万全なセキュリティ対策を実施したうえで対策状況を随時公開しています。

ISMS認証、ISMSクラウドセキュリティ認証を取得済

ChoiceRESERVEでは情報セキュリティにおいて最重要となる国際規格「ISMS認証」および「ISMSクラウドセキュリティ認証」を取得しています。

個人情報を扱うすべてのページをSSLで暗号化

予約システム上での個人情報送受信の際には、すべての情報が強固なSSL技術で暗号化されています。

予約サイト運用時の様々なセキュリティニーズに応える豊富な機能

予約管理画面におけるIDによる操作権限設定やアクセス元IP制限、管理者ログの取得機能など、安心してお使いいただくための多様なセキュリティ関連機能をご用意しています。

▼参考:
セキュリティへの取り組み|ChoiceRESERVE

万が一を考え、セキュリティが万全な予約システムを選ぶことが大切

どのような業種であっても予約システムの予約受付では、自社の顧客がサービスを利用するという目的で、自社を信頼して大切な個人情報を入力してくれることとなります。
その信頼を裏切るような事態を万が一にも招かないためにも、予約システムを選ぶ際にはかかる費用や導入のしやすさのみならず、セキュリティ対策状況を重視して選ぶことをおすすめします。
クラウドサービスのセキュリティ対策状況は、サービス提供事業者の公式サイト上で、「セキュリティ」といった項目名で一覧記載されていることが多いため、まずはセキュリティのチェックから始めるとよいでしょう。

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