この記事の3行まとめ
  • 予約システムと外部システム(CRM、POSなど)のAPI連携は、業務効率を大幅に向上させる
  • API連携を通じて、既存の会員アカウント利用やパーソナライズされたサービスを実現し、顧客体験と満足度向上にも貢献する
  • 導入にあたっては、専門知識が必要な点や、セキュリティ・サポート体制の確認が失敗を避ける上で重要な選定ポイントとなる

予約システムのAPIを利用して外部システムと連携を検討する際に、「具体的に何ができるのか?「どんなメリットがあるのか?」と、調べる方は多いと思います。
API連携により、日々の業務負担の軽減や業務効率化につなげることが可能です。

本記事では、予約システムにおけるAPI連携の基本から、具体的な活用事例、導入のメリット、そして注意点までをわかりやすく解説します。さらに、API連携に対応したおすすめの予約システムもご紹介。

自社に最適なシステム選びにお役立てください。

※この記事は、API連携機能付き予約システムを提供する【リザーブリンク】が監修を行っています

予約システムのAPI連携で「できること」

虫眼鏡でマーケティング解析

「API」は「Application Programming Interface」の略称です。API連携とは、異なるシステム間でデータを連携する仕組みを指します。API連携は、複数のシステム間でデータの整合性を自動的でリアルタイムに反映できます。

例えば、双方のシステムでリアルタイムに最新の情報を共有できたり、一方のシステムで処理した結果をもう一方へ自動反映してデータの整合性を常に保つことが可能です。

これにより、手動での入力作業がなくなるため、入力ミスや同期の遅延を防げます。

▼API連携の基礎知識について、詳しくは下記の関連記事でも解説しています。
「予約システムのAPI連携とは? メリットや機能、利用サービスについて解説」

以下では、予約システムのAPI連携で具体的に何ができるかをご紹介します。

顧客管理システム(CRM)と連携して顧客情報を一元管理

多くの企業が、SalesforceなどのCRM(顧客関係管理システム)を利用して、顧客とのやり取りや関係性を効率的に管理しています。

しかし、予約データが予約システム側、過去の対応履歴がCRM側と、情報が分断されていると、営業担当者は両方のシステムを確認する手間が発生し、スムーズな顧客対応ができません。

予約システムとCRMをAPI連携することで、予約状況など予約システム側のデータと、過去の対応履歴などのCRM側のデータをすべて最新の情報で一元化が可能です。

これにより、あちこちのシステムを確認する手間がなくなり、営業担当者は一元化された最新情報をもとに、顧客一人ひとりに合わせた最適なコミュニケーションや施策の検討に集中できます。

▼APIを活用したCRMとの連携事例をご紹介しています。
業界内トップクラスの充実したAPI|ChoiceRESERVE

POSシステムと連携して会計処理を自動化

小売業やサービス業では、POS(販売時点情報管理システム)を導入し、商品の販売状況や詳細なデータを管理しているケースが多くあります。

しかし、予約データが予約システム、会計データがPOSシステムと分かれていると、会計時に予約情報を手動で確認・入力する必要が生じ、時間と手間がかかります。そこで、POSシステム(クラウドサービスやレジシステムなど)と予約システムをAPI連携すれば、予約システムの予約内容や料金をPOSに自動で反映することが可能です。

この連携により、会計処理が自動化され、レジでのミスを防止につながるでしょう。

社内基幹システムやマーケティングツールと連携してデータ分析・活用

販売管理や在庫管理、会計など、業務処理を社内基幹システムですでに一元化している場合にも、予約システムとのAPI連携が役立ちます。

予約システムに登録された顧客属性や予約データは、顧客の嗜好や会計にも関わるものです。これを手作業で基幹システムに入力すると、入力ミスやタイムラグが発生してしまいます。

API連携を利用すれば、予約システムで登録されたこれらの重要な情報を、手入力することなく自動的に基幹システムやマーケティングツールへ共有できます。

結果として、すべてのデータが常に最新の状態で一元化され、予約情報をもとにした詳細なデータ分析や効果的なマーケティング施策の実行が可能になるでしょう。

自社サイトやアプリと連携して認証や予約手続きをスムーズに

ECサイトなどで既に企業アカウントを運用している場合、顧客は同じIDとパスワードで全ての自社サービスを利用できることを期待します。予約専用のIDを別に作成する必要があると、顧客にとって手間が増え、予約の離脱にもつながるでしょう。

API連携に対応した予約システムであれば、自社サイトやアプリのアカウントと予約システムを連携させ、顧客が同じIDとパスワードで予約を行える仕組みを実現できます。これにより、顧客は煩雑な登録作業なしにスムーズに予約手続きを完了でき、顧客の利便性の向上につながります。

予約システムのAPI連携を活用した導入事例

導入事例
予約システムのAPI連携が、実際にどのように現場で活用されているのか、具体的な活用イメージを掴むために3つの事例を解説します。

ウェブ会議システム連携で二重登録の手間を削減

大手保険業の企業様では、営業担当者がオンライン商談を行う際、専門コンサルタントとの日程調整に予約システムを利用していました。しかし予約が完了した後、その情報を自社開発の社内ポータルへ再度入力し、ウェブ会議用のURLを発行するというフローになっており、この「二重登録」が大きな業務負担となっていました。

この課題を解決するため、予約管理システム「ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)」のAPI連携を導入。これにより、ChoiceRESERVEに登録された予約情報が自動的に社内ポータルシステムへ共有・照会されるようになりました。

この連携により、営業担当者は社内ポータルシステムへの会議情報の入力を大幅に簡略化でき、コンサルタントのアサインからウェブ会議URLの発行までの一連の業務が効率化されました。

Salesforceとの連携でイベント予約管理をリアルタイムに一元管理

ある出版社様では、コールセンターとウェブサイトの2つの窓口でイベント予約を受け付けていました。しかし、コールセンターの予約はSalesforce、ウェブサイトの予約は別の予約システムで管理していたため、予約在庫が二重管理に。また、ウェブ予約の情報をSalesforceへ手動で入力する手間も発生していました。

手動入力と二重管理が大きな業務負担となっていたため、予約システムのAPI機能を活用し、Salesforceとの自動連携を実現。ウェブサイトで受け付けた予約情報がリアルタイムでSalesforceに反映されるようになりました。

ウェブ予約情報の手動入力作業が削減され、コールセンターとウェブサイトの予約在庫が完全に一元管理できたことで、業務効率と予約管理の精度が向上しました。

基幹システムAPI連携で有料セミナーの予約・決済を自動化

API連携解説図

スモールビジネス支援を展開する弥生株式会社様は、ビジネスパートナーと提携した有料セミナー事業の管理を始めるにあたり、基幹システムとの連携が必須でした。従来のシステムでは、決済データと予約情報の手動での突き合わせや、パートナーごとに異なる予約管理の手間が大きな課題となっていました。

そこで、API連携と主催者ごとに権限を設定できる「ChoiceRESERVE」を採用。予約が入ると、API連携で予約情報が自動で基幹の販売管理システムに取り込まれ、決済情報と自動で連携する仕組みを構築しました。また、主催者ごとに権限を設定することで、複数のビジネスパートナーごとの予約管理も容易になりました。

このAPI連携により、手動でのデータ入力・突き合わせ作業がなくなり、スムーズな予約承認と決済管理の自動化を実現。手間とコストを削減しながら、有料セミナー事業の安定した運用が可能となりました。

▼導入事例
「セミナー予約を自動化」基幹システムとのAPI連携で、スムーズな導入と運用を実現

予約システムをAPI連携するメリット

MERITの文字
ここからは、予約システムと外部システムを連携することによる主要なメリットを3つ解説します。

業務の効率化・自動化

予約システムと外部サービスをAPI連携することで、手作業による業務を大幅に削減し、効率化・自動化を進められます。

例えば、顧客管理システム(CRM)と連携すれば、予約情報が自動で反映されるため、手動でのデータ入力や重複作業が不要になります。これにより、入力ミスを防ぎ、従業員は本来の業務に集中できるようになります。

顧客満足度の向上

API連携は顧客満足度の向上にもつながります。自社のウェブサイトやアプリに予約機能を組み込む際、APIを活用すれば、ユーザーが使い慣れたプラットフォーム内で予約を完了できます。

これにより、顧客は別のサイトに移動する手間がなくなり、スムーズな予約体験が可能になるでしょう。

例えば、既存の会員アカウントと予約システムを連携すれば、顧客はログインの手間なくスムーズに予約を完了できます。また、予約情報とCRMの連携により、過去の対応履歴に基づいたパーソナライズされたサービス提供が可能になります。

開発コストの削減

API連携は、予約システムをゼロから独自に開発するよりも、大幅なコスト削減を実現します。
予約機能や顧客管理機能をゼロから自社で独自に開発しようとすると、膨大な時間、費用、専門人材が必要になります。また、開発後のバグ修正や継続的なメンテナンスにもコストがかかり続けるデメリットも。

既存の予約システムが提供するAPIを利用すれば、そのシステムの高性能な機能を、自社のウェブサイトやアプリに必要な部分だけを組み込むことが可能です。

フルスクラッチ開発に比べて初期投資を最小限に抑えられ、導入期間も短縮できます。さらに、運用後のアップデートやセキュリティ対策はベンダーが行うため、長期的なメンテナンスコストも削減が可能です。

API連携対応の予約システムを選ぶポイント

豆電球「POINT」の文字
API連携のメリットを最大限に活かすには、自社の目的とシステム環境に合ったサービス選びが重要です。導入時に確認すべきポイントを解説します。

必要な要件の洗い出し

API連携対応の予約システムを選ぶ上で最も重要なのは、自社がシステムに求める「要件」を明確に洗い出すことです。

要件が曖昧なまま選定を進めると、導入後に「必要な機能がない」「連携したいシステムと繋がらない」といった問題が発生し、かえって手間が増えることもあるので注意しましょう。

要件を決めるには、まず「予約管理に関連する自社の課題」を洗い出すことがおすすめです。例えば、「顧客データが分散している」「在庫管理と連携したい」など、具体的な運用シーンや顧客体験を考慮しながら課題を挙げましょう。

課題が多数ある場合は、最もクリティカルな課題から優先順位をつけてください。これにより、自社に合ったシステムを選定する基準ができます。

もし自社だけで要件を明確にできない場合は、開発会社やクラウドサービス事業者へ相談し、運用をイメージしながら要件を固めていくことも可能です。

サポート体制が整っているか

API連携を安定して運用するには、提供ベンダーのサポート体制が整っているかを確認することが重要です。

API連携は専門的な知識が必要なため、連携中に技術的な問題が発生したり、仕様について疑問が生じたりすることは少なくありません。そのような時に、迅速に的確なサポートが受けられないと、導入作業が遅延する可能性もあります。

具体的なAPIの技術仕様書が公開されているか、問い合わせ窓口の対応時間や手段(メール、電話など)が整っているか確認しましょう。サポート体制で確認する主なポイントは、以下の通りです。

  • サポート受付時間
  • サポート体制(電話やオンラインによるサポート、メールによるサポート、ヘルプページによるサポートなど)
  • メンテナンスなどの事前告知
  • セキュリティチェックなどの企業独自の対応

自社のセキュリティ要件にあっているか

予約管理システムの選定時には、自社のセキュリティ要件に合致するか確認しておきましょう。

システム選定後に、セキュリティ要件に合致しない場合は、再度システム選定から始める必要があるので、機能要件を伝える際にセキュリティについても確認することをおすすめします。

拡張性や将来性があるか

システムに拡張性や将来性があるか考慮することはとても重要です。時代や市場・運用の変化にともない、予約管理システムに求める要件も変わるからです。

事前に要件変更の可能性がある場合には、導入時に伝えて運用可能か確認しておくとよいでしょう。また、要件がわからない場合でも、定期的なバージョンアップや利用者の要望を反映できるか、確認しておくと安心です。

予約システムAPI連携の注意点

API連携ができる予約システムを導入する際は、いくつかの注意点があります。導入を検討する際やシステムを選定する際に注意すべき3つのポイントを見ていきましょう。

API連携の設定は専門知識が必要

API連携は便利ですが、設定には専門的な知識が必要になる場合があります。APIの仕様を理解し、適切にコードを記述する必要があるため、ITに精通した担当者や開発者が社内にいない場合は、導入のハードルが高くなる可能性があります。

自社での対応が難しい場合は、連携設定を代行してくれるベンダーのサポートや、外部の専門家に相談することを検討しましょう。事前にどの程度の技術レベルが求められるかを確認し、計画的に進めることが成功の鍵となります。

参照系と登録系がある

APIには、大きく分けて「参照系」と「登録系」の2種類があります。参照系APIは、他のシステムからデータを読み込むことしかできないため、予約状況を確認する際などに利用されます。

一方、登録系APIは、データの追加、変更、削除といった操作が可能で、顧客が予約を確定した際に自動でシステムに登録されるような場合に使われます。連携したい機能や目的によって、どちらのタイプのAPIが必要か事前に確認しておくことが重要です。

API連携ができる予約システム

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ここからは、実際にAPI連携ができる代表的な予約システムをご紹介します。導入システムを検討している方は、各サービスの特徴も合わせて確認してみてください。

ChoiceRESERVE

ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)は、大規模・複雑な予約にも対応可能な、法人向けの予約管理システムです。最大の特徴は、豊富なAPI連携機能にあります。2012年からAPIを提供開始しており、参照系(データの読み込み)と登録系(データの追加・更新)の両方に対応しています。

外部の基幹システム、顧客管理システム(CRM)、ウェブ会議システムなど、多様な社内システムと連携実績があります。特に、セキュリティと安定稼働を重視するエンタープライズ企業や、多角的なサービスを展開する企業に適しています。

詳細を見る

STORES 予約

STORES 予約は、個人事業主から中小規模のビジネスまで幅広く利用されている予約システムです。2021年からAPI連携機能も提供されており、取得した予約情報を、外部システムに取り込み、一元管理をすることが可能です。

API連携のほか、LINEミニアプリやRemoteLOCKなど、外部システムとの連携も豊富に用意されています。

リザエン

リザエンは、高いカスタマイズ性を持つ予約システムで、予約システムの機能や仕様を自社の業務に合わせて柔軟にカスタマイズできます。標準機能だけでは対応できない複雑な予約ルールや独自の業務フローにも対応可能です。

API連携はもちろんのこと、エンタープライズ版では個別の機能追加開発や、シングルサインオン(SSO)、POSレジ連携といった高度なカスタマイズができます。システム開発の専門知識を持つベンダーがヒアリングし、自社専用の予約システムを構築できます。

実現したいことを事前検討して、API連携対応の予約システムを選ぼう

本記事では、予約システムを外部の様々なシステムとAPI連携することによって、どのようなメリットを得られるかの一例をご紹介しました。

API連携の導入は、「手作業の削減」と「データの活用」を通じて、ビジネスの目標を達成することにあります。APIで何を解決したいかを明確にして対応できるAPI機能やサポート体制を持つシステムを選定しましょう。

株式会社リザーブリンクが提供する予約システム「ChoiceRESERVE」では、豊富なAPI連携の実績があります。

予約操作が行われた日時や予約対象の日時、対象商品やメニュー、予約者の属性情報など、予約に関係する様々なデータをAPIで取得可能です。

また、APIだけでなくWebhookも提供しており、予約データの登録・キャンセルなどのイベントを、管理画面で設定した通知タイミングでリアルタイムに送信が可能です。

「ChoiceRESERVE」のAPI連携については、ぜひ下記サイトもご覧ください。

▼ChoiceRESERVE公式サイト「API連携で予約情報を連携できる予約管理システム」
API連携で予約情報を連携できる予約管理システム|ChoiceRESERVE

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