整理券や整理番号を発行して順番待ちや予約を管理できるシステムを利用したことがある人は多いと思います。この整理券発行システムにより、飲食店の順番待ちや、限定商品を販売するイベントなど混雑が懸念される状況を緩和、または回避することができます。また、それ以外のシーンでも顧客側にも店舗やイベント主催側にも多くのメリットがあります。
この記事では、整理券システムの概要と導入するメリット、整理券による順番待ちや予約管理を効率化できる方法について解説します。
整理券システムの概要や機能
整理券システムの概要や予約方法、機能について解説します。
整理券を発行して順番待ちや予約の受付をするシステム
整理券システムとは、整理券を発券して予約や順番待ちを管理するシステムです。あと何組待ちといった表示や、あと何分くらいで入場や案内ができるか等、状況ごとの目安も表示されます。
また、整理券の発行に上限を設定して人数を制限したり、整理券をそのまま入場チケットとして利用したり、あるいは抽選予約などのケースで整理券が抽選の権利の証明書となる、という運用をしていることもあります。
発行にあたっては、整理券番号を店頭等の発券機に入力して紙のチケットを印刷する場合もあれば、スマートフォンの画面やQRコードを提示する場合もあります。また、ユーザーがシステムのページにアクセスして受付番号や待ち時間を確認できるといった方法もあります。
インターネット環境があれば、どこからでも整理券発券や順番待ちの確認が可能です。整理券の発券のために店舗やイベント、窓口等へ足を運ばなくても良いため、入場時の混雑はもちろん、整理券確保のための行列や混雑も防げるでしょう。
整理券システムの導入に向いているシーン
整理券システムを導入するのに向いているシーンは、ランチタイムやディナータイムなどの飲食店、限定商品を販売するイベントの物販、入場者数を制限している動物園や遊園地等の施設、会場収容人数が限られているイベントのチケット購入権等、提供する商品やサービスの枠よりも利用希望者数が大きく上回る場合です。
こうした席数や対応できる人員数が決まっているシーン、一定時間順番待ちをすれば利用できる商品やサービスのほか、一日に利用できる人数制限を設けている施設、限定数のみ販売している商品の予約販売などにも整理券システムは向いているでしょう。
整理券システムの機能
整理券システムのおもな機能には、実店舗またはオンラインでの整理券や整理番号の発行、順番が来るまでのおおよその時間案内、予約時間や順番が来たときの電話やメールでの呼び出しなどがあります。
その他、リピーター獲得のためのお気に入り店舗登録やクーポン発券機能などが搭載されている場合もあります。システムによっては独自のポイント設定があり、整理券を発券した店舗やイベントで使用できたり、ほかのサービスに利用できたりするものもあります。
整理券システムを導入するメリット
整理券システムを導入することで得られるメリットを解説します。
順番待ちによる機会損失を防げる
限定商品の購入や利用者数や利用時間に限りがあるサービスを利用したい場合、行列に並ぶなどの必要が生じると顧客側には待ち時間が発生します。整理券システムを導入することで、順番が来るまでその場にとどまる必要がなくなるため、顧客側は待ち時間を有効活用できるでしょう。
順番待ちの列を見て「順番待ちが嫌なのでほかのお店にする」「寒空の中待っているのは辛い」などの理由で、顧客の利用機会損失が懸念される場合も、システム導入により防ぐことが期待できます。窓口や店頭でのみ整理券発行や事前予約を受け付けている場合でも、オンラインの整理券システムを導入することで「整理券を取るために足を運ぶのが面倒」「時間がない」などの理由による機会損失も防げます。
順番によるトラブルが防げる
行列の場合、「こちらのほうが先だった」「割り込みされた」など、順番をめぐって顧客同士または顧客と従業員間でのトラブルが発生する場合があります。整理券システムを導入すれば、整理番号や発行された日時によって正確な順番や販売枠が管理できるため、トラブルの防止にもつながるでしょう。
順番待ちの行列が発生することで、店舗やイベント会場周辺の住民から「行列で道幅が狭くなる」「混雑している人がうるさい」などのクレームが発生する可能性もあります。整理券システムによって行列や混雑の緩和・防止をはかれば、周辺からのクレームやトラブル防止にも役立ちます。
予約業務が効率化できる
整理券による予約や順番待ちを導入する場合、受付、整理券発行、整理番号の照会、順番が来たときのお知らせなどいろいろな業務が発生します。整理券システムを導入すれば、これらの予約業務をすべて自動化でき効率化にもつながるでしょう。
「密」を回避できる
順番待ちによる混雑は「密」の原因ともなります。整理券システムを導入することで、来店時間の分散や利用人数の制限等も可能です。感染症対策の観点から密を回避する目的で時間や利用人数を制限したい場合にも、整理券システムが活用できます。
顧客情報をマーケティングに活かせる
主にオンライン受付を行っている整理券システムを導入することで、整理券の発行時に顧客の氏名や住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報を入手することになります。顧客の性別や年齢、予約した人数、時間帯などの情報をデータとして管理できるため、マーケティングにも活用できるのもメリットです。顧客情報を取り扱うときにも、強固なセキュリティのある整理券システムを導入すれば漏洩リスクなども防げます。
リピーターの獲得にも有効
整理券システムには、クーポンの発行や独自のポイントシステム、メールマガジンの発行などの機能が付いているものもあります。新規顧客の獲得だけでなく、予約を通じてリピーターの獲得にもつながるでしょう。
オンラインで整理券システムを取り入れる方法
整理券発券システムは、店頭はもちろんオンラインで受付可能なシステムを導入することで、より大きなメリットがあります。オンライン上で整理券システムが利用できる方法を、整理券システムを導入したいシーン別に解説します。
順番待ち解消、キャンセル予約や抽選予約なども受け付けるなら「クラウド型予約システム」
クラウド型予約システムとは、サーバー上にあるシステムを利用して予約の管理ができるシステムです。オンライン上での予約の受付はもちろん、変更やキャンセルなども可能。整理券機能が付帯しているサービスもあります。あらかじめ席数や利用人数、商品数等が制限されている場合や、予約枠を設けて順番待ちを解消したいときにも向いています。
事前に時間あたりの受け入れ人数を設定できるので、集中や混雑を回避して平準化を行うことができます。
予約システムには、キャンセル待ちや抽選予約受付ができるものもあります。たとえばクラウド型予約システムの「ChoiceRESERVE」では、満席の予約に対するキャンセル待ちや、抽選形式の応募受付が可能です。
利用人数制限や販売数制限、分散化をしたいときには「店舗受取システム」
店舗受取システムとは、事前に商品やオーダーの注文受付をしておき、顧客が好きな時間に店舗まで足を運んで受け取れるシステムです。販売数の制限や顧客の来店時間を分散化したいときに向いています。オーダーから時間がかかる料理やラッピング、造花などのサービスに向いているため、順番待ちの解消はもちろん、当日予約の商品ができあがるまでの時間待ちを解消したいときにも向いています。
たとえば事前注文・店舗受取システムの「COTOL」では、事前注文受付のほか、顧客に対して事前のメニューや商品詳細の案内、受付の可否なども提示可能です。
整理券システムは混雑解消だけでなく利用機会の増加にもつながる
整理券システムの概要や機能、導入メリット、オンラインの整理券システムを導入する方法を解説しました。混雑や行列の緩和や回避のために整理券を導入しても、発券や順番管理などの手間が発生します。クラウド型予約システムや店舗受取システムなど、シーンに合った整理券発券システムを導入することで、整理券に関する業務を効率化しつつ、混雑や行列防止につながるでしょう。