- 自治体の予防接種予約は、窓口や電話対応による職員の負担や手作業による情報管理ミスが課題となっている
- 予約システムの導入により、24時間対応の自動受付や情報の一元管理が可能になり、業務効率化と住民の利便性向上を実現
- 導入時は、必要な機能、費用対効果、使いやすさ、セキュリティ対策を重視し、自治体のニーズに合ったシステムを選ぶことが重要
施設の貸し出しやイベントの受付、住民相談の窓口など、自治体の業務はさまざまな予約で成り立っています。しかし、その多くを今も窓口や電話に頼っていることで、業務が煩雑になり、職員の負担が増しているのではないでしょうか。
このような課題を解決し、業務効率化やセキュリティ強化を実現するのが自治体向け予約システムです。
この記事では、自治体様への導入実績を持つ弊社が、現場から寄せられるご相談内容や実際の成功事例をもとに、予約システムの導入メリットや後悔しない選び方、具体的な活用事例まで、わかりやすく解説します。
自治体で予約システムの導入が増えている背景
近年、多くの自治体で予約システムの導入が進んでいます。その背景には、少子高齢化による人手不足への対応や、住民サービスの質を向上させたいというニーズの高まりがあります。さらに、新型コロナウイルス感染症を経て、非接触での手続きが推奨されるようになったことも大きな要因です。
自治体では、以下のような多様な予約業務が発生します。
- 公共施設(会議室、体育館、市民センターなど)の利用予約
- 自治体が主催する各種イベント(子育て、就職、移住説明会など)の参加予約
- 予防接種や各種検診の予約
- マイナンバーカードをはじめとした書類の受け取り予約
- 確定申告や市役所窓口の受付順番待ち
こうした多岐にわたる予約業務を人の手で管理し続けるのは、非効率であるだけでなく、ミスが発生するリスクも伴います。予約システムは、これら一連の業務を自動化することで、窓口の待ち時間をなくし、電話業務を削減します。職員の負担を軽くしながら、住民の利便性を高められることこそ、導入が加速している最大の理由です。
【自治体向け】予約システム導入の3つのメリット

予約システムを導入することは、単なる業務効率化にとどまらず、自治体のあり方そのものに良い変化をもたらします。ここからは、自治体で予約システムを導入するメリットを解説します。
職員の業務負担を大幅に軽減できる
予約受付や変更、キャンセルなどの手続きを利用者自身が行えるため、予約業務の効率化や自動化につながります。WEBのほか電話やメール、FAXなど他の予約申込方法との併用も可能です。
空き状況や使用状況の一覧表示、自治体からのお知らせや利用条件なども同じページに表示できるため、問い合わせ対応やキャンセル待ち連絡、予約確認業務の負担も軽減できます。職員の負担軽減により、本来の業務に集中できるようになるでしょう。
利用者の利便性を向上させる
住民は、市役所の開庁時間を気にすることなく、深夜や早朝でもスマートフォンひとつで手続きを済ませられます。
わざわざ電話をかけたり、窓口に足を運んで順番を待ったりする必要がなくなるため、時間や場所の制約を受けません。いつでもWEB上で最新の空き状況を確認できる手軽さは、住民満足度の向上に直結します。
人的ミスやトラブルを防止できる
手作業による予約管理では、どうしてもダブルブッキングや情報の転記ミスといったトラブルが起こりがちです。予約システムは、予約情報をデータとして一元管理するため、こうしたヒューマンエラーを根本から防ぐことができます。
また、日時や個人情報の入力は住民自身が行うため、職員の転記ミスも防ぐことが可能です。さらに、予約完了通知やリマインダーメールが自動送信されることで、予約の聞き間違いによるトラブルも防止でき、業務の正確性が高まります。
自治体向け予約システムの選び方

数ある予約システムの中から、自身の自治体に最適なものを選ぶためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、選定時に必ず確認すべき4つのポイントを解説します。
必要な機能が網羅されているか
予約システムには、単に予約を受け付けるだけでなく、さまざまな付加機能があります。そのため、まずは「何を解決したいのか」という課題を明確にすることがスタートです。
例えば、先着順ではなく公平性を保ちたい場合は、抽選機能や仮予約機能が役立ちます。また、予約時に利用目的などを事前に確認したい場合は、予約アンケート機能が有効です。
導入後に「こんな機能も欲しかった」と後悔しないよう、課題をもとに必要な要件を洗い出しましょう。もし要件が明確でない場合は、販売会社に相談すれば、豊富なノウハウをもとに最適な機能を提案してくれるはずです。
料金体系やランニングコストは適切か
予約システムの利用料金は、機能の種類や利用できるユーザー数によって変わります。ほとんどのサービスで複数のプランが用意されているため、必要な機能と月々の利用料金のバランスを必ず確認しましょう。
導入後のランニングコストを事前に把握しておくことも重要です。最初は必要最低限の機能を持つプランを選び、運用に慣れてから機能を追加していく方法もおすすめです。
費用対効果を意識し、自治体の予算に合ったプランを選定してください。
誰でも使いやすい操作性やサポート体制は整っているか
導入したシステムが職員に定着しない原因の一つに、「操作が複雑すぎる」「機能が多すぎて使いこなせない」といった問題があります。マニュアルを見なくても直感的に操作できるシステムなら、スムーズに導入が進むでしょう。
また、住民が利用する際の使いやすさも重要です。画面が見やすく、簡単に予約ができるシステムは、住民の利便性向上に直結します。
無料トライアルやお試しプラン、デモサイトなどを活用し、事前に操作性や使い勝手を確認することが失敗を防ぐポイントです。導入後の困りごとをすぐに解決できるよう、充実したサポート体制があるかも必ずチェックしましょう。
高度なセキュリティ対策はされているか
予約業務では、氏名、住所、電話番号、メールアドレスといった個人情報を取り扱います。場合によっては、クレジットカード情報などの機密性の高い情報を扱うこともあり、情報漏えいを絶対に防がなければなりません。
システムのセキュリティ対策が万全かどうかの確認は、最も重要なチェックポイントの一つです。不正アクセス防止策、データのバックアップ体制など、販売会社がどのようなセキュリティ対策を講じているかを事前に確認し、住民の大切な情報を守れるシステムを選びましょう。
【用途別】自治体での予約システム導入事例

実際に予約システムを導入している自治体の活用事例を紹介します。
法律相談のオンライン予約
区民の法律相談に予約システムが活用されています。いつでもウェブ上で空き状況の確認や予約が可能です。
法律相談の予約メニューは、日本語・英語・手話の3種類に対応しています。日本語と英語での相談は当日午前10時までオンラインで予約できますが、手話での相談は希望日の1週間前までの予約が必要です。そのため、システム上では自動的に1週間先の日程のみが表示されるようになっています。
相談方法も「対面」「電話」「オンライン」から選択できるため、それぞれの事情に合わせた柔軟な予約が実現されています。
▼参考
マイナンバーカード(個人番号カード)の受け取り
電話予約との併用を維持しつつ、「マイナンバーカード交付のご案内」に記載されたIDとパスワードでログインし、ウェブ予約ができるシステムを導入。
ID・パスワードによる認証で、クローズドな環境で予約できる点も安心材料です。
▼参考
武蔵野市 マイナンバーカード(個人番号カード)の受け取りと予約方法について
子育て支援サービス予約
地域の子育て支援イベントや講座は、電話や来所での予約が主流でしたが、24時間いつでもスマホからイベント情報を確認し、そのまま予約できるようにしました。これにより、保護者は都合の良いタイミングで予約が可能になりました。
▼参考
▼導入事例
あんしん生命×ChoiceRESERVEが生み出す、子育て支援の未来
公共施設の予約
LINE上で空き状況の確認から予約、クレジットカードでの使用料支払いまで完結するシステムを導入。
利用者は、空き状況の確認から予約、そしてクレジットカードでの使用料支払いまでを、すべてWEB上で完結できます。これにより、これまで窓口や電話で行っていた問い合わせが不要になり、同時に利用グループ名や利用者数も予約時にまとめて登録できるようになりました。
▼参考
「てのひら市役所」で電子申請・施設予約・交通機能を追加しました | 鹿島市[佐賀県]
イベントや講座の参加予約
自治体や観光協会が主催する小規模なイベントや講座の受付に予約システムを導入。ウェブサイト上でプログラムを絞り込み検索し、オンラインで直接予約できるようになりました。
定員に達したプログラムは自動で受付が締め切られるため、事務作業の効率化と機会損失の防止をにつながります。
▼参考
いわたおんぱく
自治体の業務効率化やトラブル防止には予約システムが有効
自治体の予約システム導入のメリットや選び方、実際の導入事例を紹介しました。自治体では幅広い予約業務が発生します。予約システムを導入することで職員の負担軽減のほか、住民の満足度向上にもつながります。
予約業務で発生している課題を解決できる予約システムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。