システム連携を行う際には、関係する部署や協力会社が連携の目的とプロセスを理解することが非常に重要です。業務フローをまとめた「フロー図」は、その理解を促すための強力なツール。システム間でどのようなデータがどのタイミングでやり取りされるのか、各システムがどのような役割を果たすのかを視覚的に表現します。

この記事では、システム連携を行う際の業務フローのまとめ方を具体的な事例を交えて紹介します。

フロー図を作成する前に必要な現状の理解と情報収集

オフィスで話をするビジネスマンシステム連携を成功させるためには、現状の理解と情報収集が不可欠です。

現行プロセスの把握

まずは、どのシステムがどのように連携しているのか、どのデータがどのタイミングでどこに移動するのか、といった情報を把握しましょう。

具体的には、以下の3つの基本要素を把握することが重要です。

システム:

連携する各システムを理解します。これには、基幹システム、販売システム、マーケティングオートメーション(MA)、顧客管理(CRM)、販売システム、予約システムなどが含まれます。

データフロー:

システム間でのデータの流れや処理を理解します。例えば「予約システム」と「販売システム」との連携においては、顧客がウェブサイトでサービスを予約すると、「予約者名、予約したサービス、サービスの金額」などの情報が生成されます。この情報が販売システムに移行、売上管理として処理される流れなどを把握します。

手動プロセス:

自動化されていない手動のプロセスを理解します。例えば「予約システム」においては、販売システムに「予約者名、予約したサービス、サービスの金額」を手で入力するなどのプロセスが含まれます。

これらの情報は、システム連携の目的を明確に定義するための基盤となります。例えば、現行プロセスで手動で行っている作業が自動化できるか、データの流れを最適化できるか、といった点を明らかにすることで、システム連携によって達成したい目的を具体的に定義できます。

関係者へヒアリング

現行プロセスを深く理解するために、関係者へのヒアリングは欠かせません。

ヒアリングの対象者:

ヒアリングの対象者は、システム連携に関わる全てのステークホルダーです。

ヒアリングの内容:

ヒアリングでは、以下のような情報を把握します。

  • 現行の業務プロセス
  • システムの使用状況
  • 問題点と改善点
  • 要件と期待値(必要な要素や機能・優先順位・コスト)

これらのヒアリングを通じて得られたフィードバックは、フロー図の作成や改善、そして最終的なシステム連携の実装に活用されます。

フロー図の作成に必要な要素とは

フロー図の枠システム連携の目的と要件が明確になったら、次はフロー図の作成に移ります。フロー図は、システム間のデータの流れを視覚的に表現するためのツールで、全体像の理解や問題点の発見、改善策の検討に役立ちます。
フロー図は社内の関係者だけでなく、外部のベンダーやパートナーとの共有資料としても活用できます。特に、システム連携のプロジェクトでは、多くの異なる役割の人々が関与するため、全員が同じ理解を持つことは非常に重要です。

プロセスの概要を書き出す

ホワイトボードや紙を使って、大まかなプロセスの流れや全体像をスケッチしましょう。この段階では、詳細よりも全体の流れを示すことが重要です。

フロー図の作成

正式なフロー図を作成します。ここで、フロー図に含める要素を詳しく見ていきましょう。

業務フローイメージ図

「予約システム」におけるフロー図の例

登場人物

システム連携に関わる「登場人物」を役割や担当ごとにスイムレーンで表現します。スイムレーンとは、フローチャートの中で特定の役割を担当する人物やシステムの活動を視覚的に区別するための水平または垂直の帯のことを指します。
これにより、各ステップが誰によって、またはどのシステムによって行われるのかが一目でわかります。

例えば、顧客、フロントエンド、バックエンド、データベースなどが登場人物となる場合があります。

開始点と終了点

プロセスの開始と終了を明示します。これにより、プロセスの範囲が明確になります。

例えば、顧客が情報を入力するところが開始点、情報がデータベースに保存されるところが終了点となります。

業務プロセス

業務プロセスやシステムの処理を具体的に記載し、ステップごとに適切なシンボルを使用します。これにより、プロセスの流れが視覚的に理解しやすくなります。

例えば、顧客が情報を入力(楕円形)、その情報がフロントエンドで受け取られ(四角形)、バックエンドで処理され(四角形)、最終的にデータベースに保存される(菱形)というステップを描きます。

データフロー

システム間のデータの流れを矢印で示します。データの内容やフォーマットも注記します。これにより、どのデータがどのタイミングでどこに移動するのかが明確になります。

例えば、顧客情報がフロントエンドからバックエンドへ、そしてデータベースへと移動する流れを示します。

分岐と条件

プロセスの分岐点や条件分岐を示します。これにより、プロセスの複雑さや例外処理が視覚的に理解しやすくなります。

例えば、データの検証が成功した場合と失敗した場合で、処理が分岐する点を描きます。

システム間のインターフェース

API、ファイル転送、CSVなどの連携手段と連携内容を記入します。これにより、システム間の具体的な連携方法が明確になります。

例えば、フロントエンドとバックエンド間ではAPIを、バックエンドとデータベース間ではSQLを用いてデータをやり取りする、という内容を記載します。

詳細の追加

最後に、各ステップの詳細を追加し、必要に応じて補足説明を入れます。これにより、フロー図を見ただけで全体のプロセスが理解できるようになります。

※ここまでに紹介したフロー図に含める要素は一例です。特定のプロセスやシステムによって、フロー図に含めるべき要素は異なります。フロー図作成時には、その図が表現するべきプロセスやシステムの特性を考慮し、必要な要素を選択することが重要です。

フロー図のレビューと最終確認

フロー図の作成が完了したら、関係者全員にレビューしてもらい、フィードバックを収集します。修正が必要な部分はフィードバックに基づいて改訂し、フロー図が最終的な運用プロセスを正確に反映していることを確認しましょう。

システム連携を行う時にベンダーに相談するタイミング

にこやかにミーティングをするビジネスマンフロー図が完成すると、連携するシステムの要件やデータの流れを明確に伝えることができ、ベンダーからの技術的なフィードバックを得やすくなります。そのため、一般的には、フロー図が完成したタイミングで、ベンダーにシステム連携の具体的な実装について相談を始めます。

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