この記事の3行まとめ
  • お客様の予約割合は?戦略によって正解が異なる、6行の運用バランスを公開
  • 「予約したのに準備ゼロ」を防ぐ、現場への落とし込みから高齢者対応まで
  • 非対面への誘導と来店予約を両立させるチャネル設計のポイント

2025年12月8日(金)、予約管理システム「ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)」をご導入いただいている皆さまをお招きし、第3回「銀行担当者様向けユーザー会」を開催しました。

ChoiceRESERVEは全国の銀行の約3割に導入いただいており、金融機関特有の業務フローに対応した機能開発を進めてきました。こうした導入実績を背景に、同じ課題感を持つ銀行同士が知見を共有できる場として、銀行担当者様向けユーザー会を定期的に開催しています。

本イベントには、池田泉州銀行、山形銀行、りそな銀行、広島銀行、京葉銀行、大分銀行の6行から担当者様が参加。「本日のディスカッション内容を持ち帰り、日々の運用に活かしていただく」というテーマのもと、各行の来店予約システム運用における課題や工夫について活発な意見交換が行われました。

本レポートでは、当日の5つのディスカッションで出た内容を中心に、金融機関における来店予約システムの現状と今後の展望についてお伝えします。

テーマ1. 来店予約の周知|非対面チャネルとどう両立させる?

本イベントは5つのディスカッションを元に進められました

本イベントは5つのディスカッションを元に進められました

最も関心が高かったテーマとして、来店予約の周知方法についてディスカッションが行われました。

「8割が行員入力」vs「6割がお客様から」|この差はどこから?

各行における予約の割合(お客様自身による予約サイトからの予約と、行員が管理画面から登録する予約の比率)について情報共有が行われました。

お客様からの予約が6割という銀行もあれば、8割が行員入力という銀行もあり、各行で大きな差があることが判明。この差はどこから生まれるのでしょうか。

お客様予約比率が高い銀行に共通していたのは、チラシ配布・ポスター掲示・行員の声かけといった地道な周知活動の徹底です。また、近隣のメガバンクが予約制を導入していることで、地域全体として「銀行=予約するもの」という認識が浸透しているケースもありました。

一方で、「予約率を増やしたいという思いは特にない。予約はプラスαのサービス」という考え方の銀行も。予約比率を上げることが目的なのか、あくまで顧客利便性の選択肢として提供するのか。システム導入の”目的設定”によって、周知への力の入れ方も変わってきます。

つまり、「お客様自身の予約比率を高めること」が必ずしも正解ではなく、各行の顧客層や店舗戦略に応じて”あるべき比率”は異なるということ。自行にとっての最適なバランスを見極めることが、運用設計の第一歩といえるでしょう。

カスタマーサービス部 小濵
カスタマーサービス部 小濵

各行の数字が共有されたことで、「同じシステムでも運用形態がここまで違うのか」という発見がありました。予約のデジタル化をどの程度推進するかは、各行の顧客層や店舗戦略と密接に関わるため、一律の正解はありません。自行の状況に照らして、どのようなバランスが最適かを検討する際の参考になれば幸いです。

非対面チャネルとの両立をどう設計するか

金融機関向けセミナー資料を持つ手興味深い議論として、「来店予約の周知」と「非対面取引の推奨」をどう両立させるかという課題が挙がりました。

ある銀行からは「周知のところが悩ましいのは、基本的には来店してほしくないということ。Webでできる手続きはそちらで完結してほしい。来店予約があるよと伝えることは、来てねというメッセージを発信することとイコールになってしまう」という声が上がりました。

この課題に対しては、来店予約のチラシと非対面手続きのHPに誘導するチラシを並行して配布しているという工夫が紹介されています。

また、アプリ上で口座開設を案内する際に「本当に来店しますか?」という確認を出すことで、来店予約のツールを使いながらも非対面チャネルへ誘導する導線を作っているという事例も共有されました。

来店予約システムは「来店を促すツール」ではなく、「顧客接点全体を最適化するチャネル設計の一部」として捉える。この視点の転換が、非対面推進と両立させる鍵になりそうです。

カスタマーサービス部 真崎
カスタマーサービス部 真崎

「来店予約を広めたいものの、オンライン手続きもご活用いただきたい」。この一見矛盾した課題を率直に話していただけたのは、ユーザー会ならではの場面でした。来店予約システムを「来店を促進するツール」ではなく「顧客接点を最適化するためのチャネル設計の一部」として位置づける視点は、DX推進を検討される際の重要な論点になるかもしれません。

予約完了率の改善|UI/UX最適化の取り組み

セミナーで質問をする男性予約サイトまで来ていただいても、最終的な予約完了まで到達するのが2〜3割程度という課題を抱える銀行もありました。HP上の導線が煩雑であることが離脱の原因ではないかとの分析です。

各行から共有された改善施策は以下のとおりです。

  • アンケート項目の削減(入力負荷の軽減)
  • タグ設置による離脱ポイントの分析
  • プログレスバーの表示(「あと◯ステップ」で心理的ハードルを下げる)

予約完了率の改善は、UI/UXの最適化だけでなく「本当に必要な入力項目は何か」を見直す機会にもなります。

多岐にわたるチャネル展開と効果測定の課題

具体的な周知方法としては、チラシ・ポスターが基本となっていますが、導入初期にテレビCMを実施した銀行や、YouTubeチャンネルでの告知、新聞広告、お盆などの混み合う時期に合わせたリスティング広告など、多様なチャネルが試みられていることがわかりました。

ただし、「テレビCMやWeb広告を見て来店予約を利用したかどうかを把握できておらず、反響がわからない」という課題も共有されました。対策として、予約時のアンケートで「どこで予約サイトを知りましたか?」という項目を設け、チャネル別の効果測定を行っている銀行もあります。

施策の振り返りと改善サイクルを回すうえで、こうした計測の仕組みづくりは重要なポイントです。

テーマ2. 本部と支店、どこまで任せる? 権限設計に正解はあるか

セミナーに参加する男性本部と支店の役割分担についても、活発な議論が行われました。

完全に支店任せからガチガチの本部管理まで

多くの銀行で、メニュー構成や枠数の設定は本部が決定し、日々の運用は支店に任せるという体制が取られていることがわかりました。ただし、その「任せ方」の度合いには差があります。

比較的自由度が高い銀行では、支店からのリクエストに応じてメニューを修正したり、資産運用メニューを外したりといった柔軟な対応を実施。一方で、全店舗でメニューも営業時間も統一し、ブロック(予約枠の一時的な閉鎖)も基本的には認めないという厳格な運用を行っている銀行もあります。

どちらが正解というわけではなく、店舗網の規模・地域特性・本部のリソース状況によって最適解は異なります。導入時に「どこまで本部で統制し、どこから現場に委ねるか」を明確にしておくことが、運用の混乱を防ぐポイントになるでしょう。

うまくいっている店舗のノウハウ、どう横展開する?

ある銀行では、支店長同士でのリモート会議を月1回程度開催し、うまくいっている店舗の運用事例を共有しているとのこと。このような横のつながりが、運用ノウハウの蓄積と展開に役立っているという好事例が紹介されました。

システム導入後の「定着フェーズ」では、成功事例を横展開する仕組みがあるかどうかが、全社的な運用品質を左右します。

カスタマーサービス部 西山
カスタマーサービス部 西山

本部がどこまで決めて、支店にどこまで任せるかは、導入を検討されているお客様からもよくご相談いただくポイントです。今回「完全に支店任せ」「厳格に本部管理」と両極端な事例が出てきたことで、各行の組織文化や店舗網の特性に応じた最適解があることがわかりました。システム導入時の権限設計を検討される際のご参考になれば幸いです。

テーマ3. 現場のリアルな悩み!予約品質の担保から高齢者対応まで

セミナー風景実際の運用で直面している課題についても、率直な意見交換が行われました。

予約品質の担保|「予約=約束」の徹底

最も多く挙がった課題が、予約をしたお客様を待たせてしまうケースです。前のお客様との兼ね合いで予定通りに案内できないことがあり、「お待ちいただくケースがあります」というポップを掲示するようにしたという対応策が共有されました。

さらに深刻なケースとして、「予約したのに担当者が何も準備をしていなかった」という事例も。運用ルールとして「前日の15時までに翌日の予約を確認し、担当者を割り当てて書類を準備する」と定めていても、実際には徹底されていない店舗もあるとのことです。

「予約=約束」という認識を全行員に浸透させることの難しさと重要性が、改めて確認されました。予約システムの導入効果を最大化するには、ツールの整備だけでなく、現場オペレーションへの落とし込みが不可欠です。

カスタマーサービス部 小濵
カスタマーサービス部 小濵

システム導入はゴールではなく、現場への浸透・定着までが本当の勝負です。ある参加者の方から「本部長が実際に予約して店舗を訪問したら、何も準備されていなかった」というエピソードが共有され、会場では共感の声が上がりました。デジタルツールの効果を最大化するには、運用ルールの策定と現場への落とし込みが不可欠であることを再認識する場面でした。

予約枠の運用効率化

「90分の枠で予約を受けたが70分で終わった場合、残りの20分をどうするか」「予約客かどうかは、お客様が名乗らないとわからないのではないか」といった実務的な課題も挙がりました。

発券機を活用して予約の有無を判別している銀行や、予約が入ると外部メールに通知が届き、それを店舗の共有メールに転送することで対応している銀行など、各行で工夫が見られます。

予約枠の「余り時間」をどう活用するかは、業務効率化の観点で今後さらに議論が深まりそうなテーマです。

高齢顧客へのデジタル支援|「予約なんてできないよ」にどう応えるか

「窓口に来ているお客様は高齢の方が多く、行員が声をかけても『予約なんてできないよ』と言われてしまう」という悩みも共有されました。

Web予約が苦手な方への代理予約を行っている銀行では、全ての予約に対して電話での確認を挟んでおり、現場の負担が大きいという課題を抱えています。高齢顧客へのデジタル支援と業務効率化のバランスは、多くの金融機関に共通する課題です。

「全員にデジタル化を強いる」のではなく、「デジタルを使える人には便利に、使えない人には従来どおりのサポートを」という二段構えの設計が現実的な落としどころになりそうです。

テーマ4. 予約データ、活用できていますか?

セミナーに登壇する男性予約データの活用については、まだ発展途上という銀行が多い印象でした。

現状では「予約手段としてしか使えておらず、分析には活用していない」という声が多数。ただし、今後の展望として、CRMとの連携、発券機との連携、Tableauでのデータ可視化などを検討している銀行もあります。

一方で、「CRM連携や受付システムとの連携を検討したが、コストがかなりかかることから見送った」という事例も報告されました。費用対効果の見極めが重要です。

来店後のアンケートを活用して、予約システムへの満足度やお客様の声を吸い上げ、支店に還元しているという取り組みも紹介されました。

データ活用は「まずは可視化から」という段階的アプローチも有効です。いきなり大規模なCRM連携を目指すのではなく、予約件数・メニュー別比率・時間帯別傾向など、手元のデータで見られる範囲から始めることで、次の打ち手が見えてきます。

カスタマーサービス部 真崎
カスタマーサービス部 真崎

「データ活用はこれから」という銀行がほとんどでしたが、これは逆に言えば大きな伸びしろがあるということです。「まずは予約を回す」フェーズから、「データを活用して次の施策を打つ」フェーズへのステップアップをどうサポートできるか、私たちも引き続き検討してまいります。

テーマ5. 予約メニュー、最後に見直したのはいつ?

予約メニューの見直し頻度については、月1回程度の会議で検討している銀行から、特に定期的な見直しは行っていない銀行までさまざまでした。

支店からの要望(セミナー開催に合わせて予約メニューを追加したいなど)を受けて随時対応しているケースが多いようです。

大規模なメニュー変更を行った事例としては、「足元の業務に合わせてメニュー項目をわかりやすく整理した」「貸金庫関連の業務が必要になったため、メニューとして独立させた」といった内容が紹介されました。

また、「新規のお客様が予約を取りやすいように設計を見直した」という事例も。既存客の時間のかかる手続きが入りすぎると新規客の枠が埋まってしまうという課題に対応したとのことです。

予約メニューは「一度作ったら終わり」ではなく、業務変化や顧客ニーズに合わせて継続的に見直すことが重要です。定期的な振り返りの機会を設けることで、現場の声を反映した最適化が可能になります。

懇親会|導入検討フェーズの疑問に先行事例で応える

ディスカッション終了後、リザーブリンク社オフィスにて懇親会が開催されました。

今回のユーザー会には、すでにChoiceRESERVEを運用している銀行の担当者に加え、導入を検討中・運用開始前の銀行の方も参加していたため、フォーマルなディスカッションの場では聞きにくい質問も、カジュアルに情報交換が行われました。

「具体的な導入フローはどのように進めたか」「設計時にどのような点で悩んだか」「本部と現場の調整はどうしたか」といった実務的な質問が飛び交い、先行導入行の担当者様が自身の経験をもとに丁寧にアドバイスする場面が見られました。

カスタマーサービス部 西山
カスタマーサービス部 西山

「導入前にもっとこうしておけばよかった」「最初の設計で○○を決めておくべきだった」といった先行事例からの具体的なアドバイスは、これから導入を検討される銀行にとって貴重な情報源になったのではないでしょうか。このような横のつながりが生まれることがユーザー会の価値であり、今後も継続して開催してまいります。

今後の機能開発ロードマップ

ユーザー会で発表された新機能

ユーザー会で発表された新機能

ユーザー会では、私たちから今後の開発予定についてもご紹介しました。今回いただいた声も踏まえながら、以下の機能開発を進めています。

BANKアプリとの連携

銀行アプリに登録されている会員情報を、予約時に自動入力できる機能をリリースしました。お客様が予約情報を入力する手間を軽減し、離脱率の改善にもつながると考えています。APIを組み合わせることで、顧客データとの一元管理も実現可能です。

アンケート項目の拡充

現在の上限30項目という制約について、多くの銀行様からご要望をいただいていました。来年の実装を目指して準備を進めており、すでに一部のユーザー様には先行してご利用いただいています。

公開枠数のカウント機能

メニューごとの予約枠数、埋まっている時間、空いている時間を一目で確認できる機能です。現状、ブロックの数を手作業で数えているという運用から解放できるよう、来年早々のリリースを予定しています。

ファイル添付機能

予約時に必要書類をあらかじめアップロードできる機能についても、来年の実施を目指して要件定義を進めているところです。

カスタマーサービス部 小濵
カスタマーサービス部 小濵

今回のユーザー会でいただいた声は、私たちにとって「次に何を作るべきか」を考える上での大きなヒントになっています。「こんな機能があれば…」というご要望があれば、ぜひお気軽にお聞かせください。

現場課題の共有が、来店予約のDXを加速させる

0083今回のユーザー会では、各行が抱える課題には共通点が多いこと、そして各行が独自に工夫を重ねていることが明らかになりました。

来店予約システムは、単なる予約ツールではなく、顧客体験の向上、業務効率化、非対面チャネルとの連携など、来店DXを推進するための多面的な価値を持つ基盤です。今回のディスカッションで共有された知見が、各行の運用改善に活かされることを願っています。

次回のユーザー会でも、皆さまとお会いできることを楽しみにしています!

来店DXの推進をご検討中の金融機関様へ

ChoiceRESERVEは、多くの金融機関様にご利用いただいている実績をもとに、業界特有の課題やニーズに対応した機能開発を進めています。

今回のレポートをお読みいただき、「うちも同じ課題を抱えている」「他行の事例をもっと詳しく聞きたい」と感じられた方も多いのではないでしょうか。

「自行に合った運用方法を相談したい」「導入時の設計について具体的に聞きたい」「費用感を知りたい」「既存システムからのリプレイスを検討している」など、ご検討段階でのご相談も大歓迎です。まずはお気軽にお問い合わせください。

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