スマホを操作している女性

予約管理システムは、商品やサービスの提供において、利用者との接点をスムーズにするための重要なツールです。近年では、公共施設においてもその必要性が高まり、導入する自治体が増えつつあります。

とはいえ、導入を検討する際には「どのようなシステムが適しているか」「どのように導入すればよいか」といった悩みも多く見られます。本記事では、公共施設に適した予約管理システムを比較し、おすすめの6つをまとめました。導入のポイントや導入事例についてもお伝えしますので、参考にしてみてください。

公共施設で予約管理システム導入が求められる理由

近年、自治体をはじめとする公共施設では、予約管理システムの導入が進んでいます。では、なぜ公共施設において、予約管理システムの導入が求められているのでしょうか。その背景には、住民サービスの多様化やデジタル化の加速、施設運営における人手不足といった複数の要因があります。

行政手続きや住民サービスのオンライン化が進む中で、施設予約のデジタル化もその一環として注目されており、従来の電話や紙による対応では、業務効率や利用者の利便性の面で優れているとは言えません。特に、限られた人員・予算の中で持続可能な運営を求められる自治体にとって、予約業務の効率化は重要なテーマです。

実際、総務省も「自治体におけるDX推進の意義(※1)」の中で、「デジタル技術やデータを活用して、住民の利便性を向上させる」「デジタル技術やAI等の活用により業務効率化を図り、人的資源を行政サービスの更なる向上に繋げていく」といった方針を示しています。

このような背景を踏まえ、予約管理システムの導入は公共施設においても必要性が高まっています。

※1 出典:総務省「自治体DXの推進」

公共施設で予約管理システムを導入するメリット・デメリット

ノートに書かれたmeritとdemeritの枠

 

公共施設において予約管理システムの必要性が高まっている理由については、先述の通りです。とはいえ、導入にあたってはそのメリットとデメリットの両方を事前に把握しておくことが重要です。

メリット

公共施設への予約管理システム導入で得られる主なメリットは、次の3つです。

・施設利用者の利便性を高めて利用を促す

予約管理システムは、利用者が自分の都合に合わせて予約できる環境を提供し、利便性を高めます。Web予約以外では、電話やFAXによる予約が一般的ですが、電話番号の確認や再発信の手間、話し中でつながらないストレスなど、利用者にとっては不便な点が多くあります。また、口頭でのやり取りでは、言い間違いや聞き間違いのリスクも避けられません。施設側にも対応人員が必要となり、ミスや負担が発生する可能性があります。

その点、予約管理システムであれば、24時間いつでも予約手続きが可能であり、操作も視覚的に進められるため、利用者・管理者の双方にとって安心感があります。予約時の心理的ハードルを下げることで、施設の利用促進にもつながります。

・予約業務の効率化につながる

システムを導入することで、予約受付の自動化だけでなく、確認メールの送信、利用状況の管理、顧客情報の一元管理といった日常業務の大幅な効率化が期待できます。これにより、人的リソースを削減しながら、運用の質を維持・向上させることが可能になります。

・利用データを活用できる

予約システムには、利用者の属性や予約履歴、施設ごとの利用傾向といったデータが蓄積されていきます。これらの情報を分析することで、施設の改善やイベント企画、地域ニーズの把握、さらにはまちづくり施策への活用も可能になります。

デメリット

一方で、予約管理システムの導入にはデメリットもあります。公共施設にシステムを導入する上で主な懸念点となるのは、初期費用や運用コスト、導入時の準備負担です。また、システム導入後も、一定のメンテナンスや管理業務が必要になる点は考慮が必要です。

ただし、こうしたコストや手間については、導入による効果とのバランスで「費用対効果が見合う」と判断されることも多く、導入時の負担も基本的には一時的なものです。長期的に見れば、業務効率化や利用者満足度の向上といったメリットがデメリットを上回るケースも十分に考えられます。

公共施設における予約管理システムの導入方法

Reserveと表示されたスマホ

では、実際に公共施設に予約管理システムを導入する場合、どのような方法があるのでしょうか。具体的な導入方法としては、主に3つあります。

オリジナルシステムの開発

自社専用のWeb予約システムを開発することで、過不足のない希望通りのシステムを導入できる可能性が大きくなります。ただし、内製なら人材などのリソースが必要で、業者に依頼する場合は外注費が必要です。どちらの場合もそれなりに期間が必要になります。

ベンダーの予約システムを利用

ベンダーが提供している予約システムを利用することで、容易に予約システムを導入できます。多くの場合、機能面や使い勝手の面でオリジナルシステムの開発には及ばないものの、費用面などで優位です。特に公共施設では開発できる人材がいないケースがほとんどなため、ベンダーの予約システムの利用が検討されます。

既存サイトに追加する

既存の自社サイトにプラグインで予約システムを追加する導入方法もあります。知識がある人材がいれば難しくありませんが、そうでなければ難航するかもしれません。

公共施設の予約管理システムおすすめ6選

オリジナルシステムの開発やIT人材の確保が難しい場合、ベンダーの予約管理システムを活用するのが現実的です。ここでは、公共施設での導入に適した予約管理システムを6つご紹介します。

それぞれのシステムには、対応可能な施設の種類や機能、導入実績、管理画面の操作性などに特徴があります。予算や職員のITリテラシー、予約対象の種類(会議室・体育館・イベントスペースなど)を踏まえ、比較してみてください。

Tsudle

Tsudle

(出典:Tsudle公式

Tsudleは、イベントに特化した予約管理システムです。公共施設での講習会や見学会など、定期開催のイベントに適しています。利用者は会員登録不要でWebから予約でき、管理者は簡単に予約画面を作成できます。

また、デモサイトでの検証も可能なため、「まずは使い勝手を試してから導入を検討したい」というケースにも最適です。

イベント予約管理システム「Tsudle(ツドル)」
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ChoiceRESERVE

ChoiceRESERVE

(出典:ChoiceRESERVE公式

ChoiceRESERVEは、スポーツ施設などの公共施設はもちろん、企業や教育機関など4,000件以上の導入実績を持つクラウド型予約管理システムです。予約受付・決済・顧客管理を一元化し、施設の情報発信や「直前お知らせメール」の自動配信による無断キャンセル抑止などにも対応しています。

柔軟なカスタマイズ性とサポート体制が整っており、利用規模や機能に応じて複数の料金プランがあるため、余計なコストをかけずに導入できます。

2分でわかる予約システムChoiceRESERVE
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SPMクラウドシステム

SPMクラウドシステムは、体育館やホールなどの体育施設・文化施設に特化した予約管理システムです。24時間オンライン予約、抽選・行事調整機能、キャンセル待ち、附属設備管理など、公共施設ならではの業務に対応する多機能が搭載されています。

利用者はPC・スマホから予約でき、管理者はクラウド上で台帳・統計の一元管理が可能です。クレジットカードやPayPayなど複数の決済手段にも対応しています。

RESERVA.lg

RESERVA.lg

(出典:RESERVA.lg公式

RESERVA.lgは、800以上の自治体で導入されている地方公共団体向けの予約システムです。公民館や体育館だけでなく、美術館・図書館といった幅広い施設に対応しています。

住民にとって使いやすいインターフェースと、団体予約・キャンセル待ち・多言語対応など公共施設特有のニーズに応える機能が充実しています。クレジット決済やスマートロックとの連携も可能です。

Space pad

Space pad

(出典:Space pad公式

Space padは、スマートロック連携やマイナンバー認証にも対応するなど、先進的な機能を備えた公共施設向け予約システムです。体育施設、生涯学習施設、文化ホールなどに幅広く対応し、電話・窓口対応分の代行入力機能も搭載しています。

利用者・管理者の両者にとって操作しやすいUI設計が特徴で、予約管理・許可証発行・抽選・決済などもスムーズに行えます。

リザエン

リザエン

(出典:リザエン公式

リザエンは20年以上の実績を持ち、自治体・官公庁での導入事例も多数ある予約システムです。公民館や市民会館、体育施設などの施設予約から、ワクチン接種や窓口予約まで幅広い用途に対応可能となっています。

予約者にはリマインドメールが自動送信され、キャンセル待ちやスマートロック連携、オンライン決済など、効率的な施設運営をサポートしてくれるのも強みです。

Web予約システム導入のポイント

POINTと書かれたキューブ

公共施設へ予約管理システムを導入する際の主なポイントは2つです。

施設の用途にマッチしたシステム・機能か

まず確認すべきは、施設の用途に適した機能を備えているかどうかです。そもそも検討しているシステムが、体育館や公民館、文化施設など、導入を検討している施設タイプを対象としているかを確認しましょう。

また、機能が多すぎて使いこなせなかったり、逆に必要な機能が不足していたりするケースもあるため注意が必要です。そのためには、自施設で「どのような予約業務を効率化したいか」「どのような運用を目指すか」など、目的を明確にしたうえで、具体的な機能の有無を確認することが重要です。各ベンダーが提供するシステムにはそれぞれ特徴や強みがあるため、施設ごとの要件と照らし合わせながら比較検討すると良いでしょう。

施設利用者と運営者の両方で使い勝手がよいか

たとえ機能が充実していても、使いにくいシステムでは導入効果を十分に発揮できません。例えば、管理側にとっては操作が簡単でも、利用者にとって予約手続きが複雑であれば、利用率が伸び悩む可能性があります。反対に、利用者が使いやすくても、管理が煩雑になると現場の負担が増えてしまいます。

そのため、「管理のしやすさ」と「利用者の視認性・操作性」の両立ができるシステムを選ぶことが大切です。その判断材料として、デモサイトやお試し利用の有無をチェックしておきましょう。例えば「ChoiceRESERVE」では、事前に操作感を確認できるデモサイトが用意されており、導入前に具体的な利用イメージをつかむことができます。

予約システム構築シミュレーション
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参考になる公共施設等のWeb予約システム

市役所と表示された建物入口

自治体でも公的施設の予約にWeb予約システムを活用しています。ここでは、参考として自治体の公共施設予約サイトを2つ紹介しましょう。

さいたま市公共施設予約システム

さいたま市公共施設予約システムは、各施設の空き状況をクリックで調べることができます。抽選や予約申し込みには利用者登録が必要です。
さいたま市公共施設予約システム

市川市施設予約システム

市川市施設予約システムもさいたま市と同様に利用者登録をすることで利用できます。表示期間は1日、1週間、2週間、1ヶ月から選択可能です。
施設予約システム | 市川市公式Webサイト

 

公共施設の予約管理システム導入は事例を参考に行う

公共施設の予約管理システムを導入するにあたってはメリット・デメリットを検討し、他施設の事例に加え、ベンダーが公表している導入事例も参考にしましょう。多くの事例をチェックすることで、自社で導入した場合のイメージがつかみやすいといえます。プラスしてポイントを押さえた選択が重要です。

2分でわかる予約システムChoiceRESERVE
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