定着の鍵は“現場の声”にあり。
池田泉州銀行が予約管理システムを全店導入した理由

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株式会社池田泉州銀行様

池田泉州銀行では、口座開設や住所変更、相続手続きなど、対応に時間を要する来店業務に対し、弊社が運用開発する予約管理システム『ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)』を活用しています。『ご来店予約サービス』として、お客様にはWebからご来店目的を選択・入力していただき、事前に必要書類や内容を把握することで、現場の業務効率と顧客対応の質を両立。

2024年の一部店舗での導入開始から、1年をかけて全110店舗への展開を実現しました。

本記事では、導入のスモールスタートから全店展開までの過程や現場の反応、導入によって見えてきた意外な効果などについて、担当者様の生の声をもとにご紹介します。予約システム導入を検討中の金融機関様にとって、リアルで実践的なヒントが詰まったインタビューです!

▼インタビュイー

株式会社池田泉州銀行 事務統括部 副部長
中村 知浩

株式会社池田泉州銀行 事務統括部 次長
岡光 寿剛

株式会社池田泉州銀行 事務統括部 次長
前田 丈仁

株式会社池田泉州銀行 事務統括部 調査役
宇野 恵実

株式会社池田泉州銀行 リテール営業部 次長
勢志 昌樹

株式会社池田泉州銀行 リテール営業部 次長
下垣 大輔

▼インタビュアー

株式会社リザーブリンク
カスタマーサクセス部
小浜 早貴

セールスとして入社後、「導入をゴールにしない支援」を掲げてカスタマーサービス部の立ち上げを主導。体制構築だけでなく自身もハイタッチサポートを行い、お客様が安心してシステムを活用できるよう尽力。現在はその経験も活かし、事例インタビュー施策や情報発信を担当。

現場のニーズが大きかった。導入の決め手はコストとセキュリティ

インタビューにご協力いただき、ありがとうございます!早速ですが、予約システムの導入を検討し始めたきっかけを教えてください。

中村様:

現場でのニーズが多かったことが、一番の理由です。とりわけ、少人数で運営する店舗では、お客様が集中する時間帯、特にお昼すぎに20分以上お待ちいただくことがあります。顧客満足度の観点からも、営業店担当者の業務の平準化の観点からも、改善が必要だと感じていました。

岡光様:

営業店からの要望は以前からありましたが、導入してうまくいったという業界での事例があまり聞こえてこなかったので、導入を躊躇していました。しかし、世間的にも予約して来店することが一般的になってきたことや、他行での導入も進んできたことが後押しになりました。

コロナを皮切りに、多くの店舗で予約管理システムが導入され始めましたよね。数あるツールの中で、ChoiceRESERVEを選ばれた理由についても聞かせてください。

岡光様:

いくつかのツールを比較検討していましたが、サポート体制や価格、銀行での導入実績の多さからChoiceRESERVEを選びました。

前田様:

セキュリティ面も重視していたので、ISMS(※1)の取得や第三者評価を受けている点は評価していましたね。また初期コストも安価だったので、失敗してもダメージが少ない点も決め手でした(笑)

岡光様:

他にも、銀行業務に必要なアンケート機能や、将来的なAPI連携など、必要な機能があらかじめ搭載されていたのも安心感がありました。

※1 ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム):企業が保有する情報資産を守るための管理体制を国際規格に基づいて構築・運用していることを示す認証制度。情報漏えいや不正アクセスなどのリスク対策に取り組んでいることの証明となる。

「5店舗から全店舗へ」スモールスタートで進めた展開戦略

現在、全店舗でChoiceRESERVEをご導入いただいていますが、最初は5店舗に試験導入をされたそうですね! 導入から全店展開までのステップについて教えてください。

岡光様:

おっしゃる通り、2024年10月に5店舗からスモールスタートしました。その後、試験導入の中で各店舗から出てきた要望や改善点をシステムへ反映し、数か月ごとに段階的に導入店舗を増やしていきました。2025年7月には、全店舗への展開が完了しています。

前田様:

最初の5店舗は設計段階から苦労が多く、FAQの整備や説明会の開催など地道な準備が必要でした。ただ、それ以降は比較的スムーズに導入を進めることができたと感じています。

試験導入店舗の選定や、スケジュールはどのように組まれたのでしょうか?

勢志様:

最初の5店舗は、兵庫県から大阪などバランスよくエリアを選び、業務量や来店数の傾向が異なる店舗をモデルケースとしました。いきなり大規模展開はせず、類似店舗でパターンを見極めることを重視した形です。

岡光様:

スケジュールについては、2024年10月のスモールスタートから、翌年3月に63店舗ほど追加、さらに7月には全店展開という明確なマイルストーンを設定していました。あらかじめゴールを決めて動いていたので、段階ごとの改善が積み上がり、結果的に大きな混乱もなく導入できたと感じています。

なるほど!試験導入として選ばれた店舗からの反応はいかがでしたか?

勢志様:

導入拡大に向けては、現場から「うちでも入れてほしい」という声も多かったので、比較的スムーズに受け入れてもらえたと思っています。導入後1か月ほどかけてヒアリングを重ね、意見をもとにアンケート設計や管理画面のカスタマイズを行いました。

もともとニーズがあったのですね。導入の際の説明会や展開時の工夫があれば教えてください。

前田様:

説明会はWebと対面を併用して、参加しやすい環境づくりを心がけました。

また、ChoiceRESERVEはデモアカウントが発行できるのが非常に助かりましたね。導入前に「デモ環境で1回触ってみてください」と案内することで、導入時の不安感を減らせたのは大きかったと思います。

岡光様:

現場のリアルな声をもとに少しずつ機能や運用ルールを調整していったことで、現場での定着度が高まった実感があります。

「業務効率化」だけじゃない、思わぬ活用メリットも

実際に運用してみて、どのような効果がありましたか?

下垣様:

予約についてのKPIを設定し、現時点で相応の実績が出ています。定量的な成果だけでなく、受付業務の平準化が可能になったことが何より大きい効果と感じています。

勢志様:

顧客が予約時に入力していただける情報は貴重で、それを元に事前準備ができるのは良い、というのが現場の評価です。事前に準備ができることから、結果的に新人やパート職員へのOJTにも活用でき、対応の質の平準化、向上にもつながっているようです。

たとえば、相続や住所変更など複雑な手続きの予約が入った際には、事前に対応内容が明確になっていることで、若手職員にも安心して任せやすくなり、ベテラン職員によるフォロー体制のもとで実務を通じた育成にもつながっています。

教育面でも機能しているのですね!他に、現場から挙がってくる声で印象的なものはありましたか?

前田様:

営業店から「もう手放せない」という声が出たときは、やってよかったなと実感しました。特に昼前や閉店間際など、混雑しやすい時間帯をうまくコントロールできるようになったという声は多いです。

岡光様:

導入当初は予約時の手間を考慮して「必須で入力する項目」は増やしたくありませんでした。しかし、実際には任意入力の入力率は7割を超えており、予想以上に情報を入力してくれることが分かりました。

こうした高い入力率に加え、営業店からも「この項目は必須にしたい」との要望が寄せられており、現在では「任意入力 → 必須入力」への移行も順調に進んでいます。

勢志様:

以前、御社主催のユーザー会で他行の事例を聞いたとき、入力情報を活用して次の提案につなげたり、店舗間で共有してサービス向上につなげたりしている、といった運用のヒントも得ています。

今後はそういった“+αの使い方”を広げていけたらと考えています。

▼ユーザー会のレポート

https://yoyaku-package.com/useful/detail/bank-user-conference/

サポートと今後の期待。「予約が“当たり前”になる未来へ」

導入時や運用中の、サポート体制はいかがでしたか?

岡光様:

問い合わせさせていただいた数は本当に少なくて、ほとんどが自己解決できているくらいに、直感的に操作できるシステムです。何かあった時のレスポンスも非常に早いので、安心しています。

池田泉州銀行様は、本当にお問い合わせいただくことが少ないと伺っていましたが、そう言っていただけてよかったです!今後の展望についても、お考えがあれば教えてください。

岡光様:

データ分析機能の強化も期待しています。ある程度運用が安定してきたので、次のステップとして、データをもとにしたCRM的な活用も考えていきたいです。

前田様:

営業店の業務が落ち着くだけでなく、人材育成や来店前後のフォローにも活かせる余地がまだまだあると感じています。今後は店舗ごとの工夫も横展開できるといいなと考えています。予約のデータをうまく活用すれば、サービス向上にもつながるはずです。

最後に、導入を検討している金融機関や他業種の方へメッセージをお願いします。

宇野様:

とにかく使いやすく、サポート体制も万全です。情報交換できる場があるのもありがたいです。実績もあり、安心して使えるサービスだと思います。

下垣様:

現場からの「分かりやすい!」という声が多かったです。営業店目線でも、導入しやすい仕組みだと思います。

中村様:

初期費用がかからず、導入ハードルが低いのが魅力です。最初は不安もありましたが、思っていたよりもスムーズに運用できていると感じています。使いやすさもサポートも申し分なく、現場からの戸惑いもほとんどありませんでした。

まずは試してみること、それが一番の近道です。もし悩んでいる銀行さんがいらっしゃれば、ぜひ情報交換をさせていただければと思います!

左から、池田泉州銀行 下垣様、勢志様 、中村様、リザーブリンク 小浜、前田様、岡光様、宇野様

左から、池田泉州銀行 下垣様、勢志様 、中村様、リザーブリンク 小浜、前田様、岡光様、宇野様

▼インタビュー後記

2024年12月に開催した弊社の「ユーザー会」にご参加くださった池田泉州銀行さま。当時は導入直後で、これから運用を拡大していくことへのご懸念やご相談をいただいたのを、今でもはっきりと覚えています。

あれから時を経て、今回インタビューにお伺いすると、7月には全店展開が実現され「お客様にとって予約は当たり前のものになった」とお話しいただき、胸がいっぱいになりました。

これからも、予約システムの運用が「インフラ」として当たり前に根付き、安心して新しい取り組みにチャレンジしていただけるよう、引き続き伴走しながらサポートを続けていきたいです。(小浜)