コロナ禍をきっかけに在宅勤務が推奨され、電話による顧客対応の実施が難しくなった企業は多いのではないでしょうか。
さくらインターネット株式会社では、在宅勤務下でもお客様と確実につながるために、弊社が運用開発する予約管理システム『ChoiceRESERVE(チョイスリザーブ)』を活用したコールバック予約制を導入しました。
運用設計から内製化までのプロセスを通じて見えてきた効果や、これからの顧客対応のあり方についてお話しを伺いました。
▼インタビュイー
さくらインターネット株式会社
クラウド事業本部 カスタマーリライアビリティ部
CXデザイングループ マネージャー
小笠原 正記様
ホスティング企業でインサイドセールス、プロダクト企画、CS向上企画、業務部門マネジメントなど幅広い職種を経験後、2019年にさくらインターネット入社。
現在はCX向上を目的に「顧客の不安を取り除き、信頼を獲得する」ことをミッションとした全社的な取り組みを推進している。
さくらインターネット株式会社
クラウド事業本部 カスタマーリライアビリティ部 CXデザイングループ
岩本 拓也様
カスタマーサポートの経験を経て2006年にさくらインターネットに入社し、カスタマーサポート、サポートコンテンツ管理、バックオフィス業務などを経験。
現在はシステムの運用保守や、業務の改善・効率化の推進を担当。
▼インタビュアー
株式会社リザーブリンク
カスタマーサクセス部
小浜 早貴
セールスとして入社後、「導入をゴールにしない支援」を掲げてカスタマーサービス部の立ち上げを主導。体制構築だけでなく自身もハイタッチサポートを行い、お客様が安心してシステムを活用できるよう尽力。現在はその経験も活かし、事例インタビュー施策や情報発信を担当。
お客様と“つながる方法”を模索して見つけた答え

さくらインターネット株式会社 小笠原様
本日はインタビューのご協力ありがとうございます!早速ですが、さくらインターネットさんでは、ChoiceRESERVEをどのような用途で活用されていますか?
電話サポートのコールバック予約(※)の受付です。「さくらのレンタルサーバ」や「さくらのドメイン」などさまざまなサービスが対象となります。
※顧客が事前に指定した日時に、企業側から折り返し電話をかけてもらうサービス
予約管理システムを導入することになったきっかけはありますか?
コロナの影響で、2020年3月に原則リモートワークになったことがきっかけです。
電話対応の委託先もオフィスに出られなくなり、電話窓口を一度閉めるしかなくて。始めのうちはお客様からも理解を得られていたのですが、程なくして「電話受付を再開してほしい」という要望が大きくなりました。
なるほど、現場目線で考えるとリモートワークでの電話対応は、不安も大きいですよね。
そうなんです。リモートでの電話受付の設備も整える必要がありますし、そもそも電話受付の需要がどれくらいあるのかも分からない。少人数で再開すると“電話がつながらない”という不満が必ず出る。
そこでメールやチャットを軸にしつつ、確実につながる窓口としてコールバックを新設しました。
もともと、電話受付の満足度調査でも「電話がつながりにくい」というお声が多かったこともあり、電話受付を再開する際にその点も解消できるようにということでコールバック予約を採用しました。
「オペレーターはログインしない」運用設計

さくらインターネット株式会社 岩本様
さまざまな予約管理のツールがあるなかで、ChoiceRESERVEをお選びいただいた理由は何だったのでしょうか?
管理画面はもちろんのこと、お客様からみた画面のUI・UXの分かりやすさです。また、運用に合わせた表示や案内のカスタマイズ性が高かったのも大きかったです。費用感も問題なかったので、ChoiceRESERVEに導入を決めました。
実際に触ってからの感想にはなりますが、マニュアルなしでも直感的に触れる画面なのが良いなと思いました。また、各設定画面の右上から該当画面に関するヘルプページへ直接飛べるのも、非常に助かる仕組みですね。
そう言っていただけて安心しました…!導入してからは、どのように運用されていたのでしょうか?苦労した点も踏まえて教えてください。
一番は、新しいシステムを現場に覚えてもらう負担をなくすことでした。そのため電話をかける担当者が予約管理画面に入るのではなく、予約情報をメールで受け取って、メールツール上で管理するようにしたんです。
導入当初はSalesforceを導入する前だったので、ChoiceRESERVEの予約確定メールを社内のメールツールへ取り込み、日付・担当・メモをメール側で管理する運用にしていました。
現在はSalesforceを活用されているかと思いますが、どのようなフローで情報を連携しているのでしょうか?
現在は、Salesforceのメールの取り込み機能で予約完了メールを自動で取り込み、本文から予約日時や窓口種別を自動変換して項目を連携しています。
それ以降の対応はSalesforce上で完結するため、基本的にオペレーターがChoiceRESERVEの管理画面を触ることはありません。
なるほど!運用がかなり整備されていますね。
ありがたいことに、社内でも定着しました。途中で経営判断があり、コールバックの対応チームを委託運用から内製化に切り替えたんですが、その移行もこの仕組みのおかげでスムーズに進められました。
ChoiceRESERVEの導入で、顧客満足度と業務効率を両立

導入から数年経ちましたが、どんな効果を実感されていますか?
まず、お客様アンケートの満足度(NPS)ですね。チャットが一番高いですが、僅差でコールバックが続きます。コールバックはメールよりもスコアが高いです。
"オペレーターに確実につながる安心感"が、満足度を押し上げているのだと思います。あとは、電話受付を行っていた頃のように「つながらない」というストレスがなくなったと感じています。
待ち時間がないのは、お客様にとって大きいですよね!運用面ではどのような変化がありましたか?
人員配置がしやすくなったのが大きいです。1時間ごとに何枠対応できるかを事前に設定できるので、対応内容も事前に把握しながら、最適な準備をしてお客様と話すことができます。
結果的に、スピードと品質の両方が上がったと感じています。
ありがとうございます!現場からの改善・要望や、今後ChoiceRESERVEに期待することはありますか?
予約枠のブロック機能の一括設定があると助かります。今は「6枠のうち1枠だけ減らす」「午前だけ停止」など社内の状況に合わせて活用しているのですが、1枠ずつ手動で設定する必要があるため「半日だけブロックしたい」ときなどは少し大変です。
ドラッグ操作などで、まとめて設定できるようになったら最高ですね。
期待することとしては、AIを活用したエージェント型の予約です。「チャットで会話しながら自動で予約が取れる」みたいな仕組みが広がると、さらに顧客体験が変わると思います。
貴重なご意見、ありがとうございます。ぜひ、今後のサービス改善に活かしていけたらと思います!最後に、導入を検討している企業様にアドバイスをお願いします。
ツールは、あくまで手段です。「何のために導入するのか」「どんな体験を提供したいのか」を明確にして、そこに合わせて設定や運用を作り込むことが大切だと思います。
ChoiceRESERVEは安定していて困ることがほとんどないので、業務や運用フローを仕組み化したい企業におすすめしたいです。

左から、 さくらインターネット株式会社 小笠原様、岩本様、株式会社リザーブリンク 小浜
▼編集後記
コロナ禍という大きな転換期を経て、新たなサービス提供の形に挑戦されたさくらインターネット様。
今回お話を伺いながら、「こうした仕組みがあることで、サポートのやり取りがよりスムーズになり、サービスを受ける側も提供する側も、きっともっと心地よくなるだろう」と感じました。お客様アンケートの満足度(NPS)でも、チャットに次いでコールバックの評価が高いを得ていたというお話もありましたが、ChoiceRESERVEがその一助となり、サービス提供者の皆様の“お客様対応”がより質の高いものになれば、これほど嬉しいことはありません。
お忙しい中にもかかわらず、温かく迎えてくださったさくらインターネットの小笠原さま・岩本さまに、心より感謝申し上げます。これからも、一緒により良いサービスの形を探り続けられればと思っています!(小浜)